45話 ページ47
｢おかえりなさい、どうでしたか？｣
｢海、楽しかったよ〜｣
｢それはよかったですね。……ジェイド、報告を。｣
VIPルームのソファにごろーんと寝転がるとっても上機嫌なフロイドくん
その横に座ろうと思ってたんだけど、フロイドくんが寝転んだ為、椅子の縁に腰掛けようとすると、
｢Aー。ここに座って枕してぇ？｣
『ん？いいよ。座るから少し起きて。』
フロイドくんからのオネダリ。
ソファにちゃんと座り、太ももをポンポンと叩くとフロイドくんが寝転がってきた。
そっと髪を撫でると気持ちよさそうにしている。
｢なんですって？監督生さんが、レオナさんと？｣
アズールくんの声を聞いて、僕もフロイドくんもそちらに顔を向ける。
｢はい。どうやら契約者はサバナクローに転がり込んだようです。｣
｢なるほど。それは……少しばかり予想外な展開だ。｣
じっと考え込むアズールくん。
アズールくんが考えるということは、予想外だからだけじゃなくて、相手が相手だからというのもある気がした。
｢どーする？絞めちゃう？｣
｢……いえ、レオナさんについては放っておいてもいいでしょう。｣
｢敵に回すと少々厄介な相手では？早めに手を打っておいたほうが……｣
『……僕もそう思う。』
サバナクローの寮長のことはよく知らないけど。
ジェイドくんも、厄介だって言ってたし……
早めに手を打つのは賛成。
｢彼は基本的には怠惰な雄ライオン。面倒事には首を突っ込まない主義だ。もちろん、敵に回せば厄介という意見には同意ですが……それは相手も同じこと。彼も好き好んで僕と対立しようなどと考えないはずです。｣
｢薮蛇にならないように、今のところは触れずにおく……ということですね。かしこまりました。｣
｢ちぇー。アイツ、締めがいありそうだったのになァ。｣
『フロイドくん。今はダメってだけだよ。もしかしたら締める機会が、これから先あるかもしれないよ。』
｢……それなら、我慢するー。｣
｢3人とも引き続き監視頼みましたよ。｣
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作者名：雨鯱 | 作成日時：2020年8月29日 21時
