白（黒）人魚は二重人格！？ (ページ5)

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3話ページ5

｢フロイド、ジェイド、Aお疲れ様でした。｣

｢あぁー！疲れたぁー｣

｢お疲れ様でした。今日も、Aの料理は、評判が良かったですよ。｣

『本当に？それならよかったな』

今日もモストロ･ラウンジは大盛況だった。
料理もそれなりに上手く出来たと思っていたから、ジェイドくんの言葉が毎回嬉しかったり。

ほっと、胸を撫で下ろしていると

｢ねぇ？シロイルカちゃんー賄い作ってぇ？｣

フロイドくんの賄いのおねだり。
これは、ほぼ毎日のようにある。

例え機嫌が悪くても、賄いを頼んできてくれる。
おかしいなぁ。
フロイドくんもお兄ちゃんだと思うのに、弟のように可愛くて仕方ないのは、やっぱりお母さん感覚なのかな？

｢A僕の分もお願いできますか？｣

『いいけど、アズールくんから頼んでくるとは…珍しい。』

そう、アズールくんはいつも頼んでは来ない。
頼まれなくても、僕は作るから別にアズールくんの分だけないとか、そんな意地悪しないのに…

｢た、食べたくなったんですから！別に良いでしょう！？｣

『そんな大きな声で言わなくても。分かってるよ、任せてアズールくん』

顔を真っ赤にして訴えかけるように言ってくる、アズールくん。

寮長としての顔とはまた違う、僕達だけが知ってる顔。
そんなアズールくんからの言葉を聞いてしまえば、嬉しくて仕方なくて。
より美味しいものを作ろうと意気込んでいると、ふと視線を感じた。

そちらを見ると…

｢Aもちろん、僕の分もお願いしても？｣

『うん。ジェイドくんの分だけないとか、そんなことしたことないでしょ？』

｢フフ…そうでしたね。では、美味しいのお願いしますね。｣

ジェイドくんがちょっと拗ねたようにこちらを見てた気がする。
そちらを振り向けば、パッといつもの表情に戻る。

それも可愛らしいと感じ、いつもより、数百倍美味しく作る事を決意した。

だって、3人の喜ぶ顔が見れるなら。
僕はなんだってする。

それが例え、禁忌であったとしても。