白（黒）人魚は二重人格！？ (ページ34)

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32話ページ34

アズールside

パタンと閉じられたVIPルームの扉。

先程まで近くにいた温もりはラウンジへと行ってしまった。
昔から変わらないその温もりと、Aの態度に僕がどれだけこの部屋に篭っていたのかを知らされました。

彼は昔から僕が何かに集中しすぎると、心配して料理を作ってくれたり、何も言わず傍にいてくれたりするんですよね。

出会い方は正直いいものではありませんでしたが、彼の魔法に興味を持ち、初めは能力を手に入れようと思っていたのですが…

彼の優しさに触れ、僕のことをしっかり見て認めてくれる彼に惹かれたのだと思います。
気がつけば、傍にいてくれる事が当たり前で、ジェイドやフロイドと同じ安心感がありました。

彼は、他のシャチとは違い身体は真っ白で。
同族からも、親からも軽蔑されていたと。
周りには同族がいるのに、独りだったんだと。
そう話してくれたことがありました。
それが、ジェイドやフロイド出会う前の僕と重なるような気がして。
とても親近感が湧いたのを覚えています。

彼に僕も同じようなものだと、話した時は、何故か彼が泣きながらそっと抱きしめてくれたのを覚えています。

Aは、僕達にとってとても大切で家族以上の存在なのだと思っています。
けれど…きっと彼は僕達にしてしまったことを未だに、罪悪感を拭いきれていないのだと思います。

Aが少しでも楽できるように、今回のことはきっちり済ませないと。