27話 ページ29
昼休み、監督生に契約を持ちかけるため、大食堂に来ていた。
予想通り、イソギンチャク達と話をしている監督生。
｢行きますよ、フロイド、A｣
｢はーい｣
『うん。行こう。』
アズールくんのお願いだからね。
しっかりやらなきゃ。
イソギンチャクたちと獣耳の大男、監督生のところへ足を運ぶ。
作戦スタート。
｢おや、どうなさったんです。暗い顔をして。｣
｢あはは。ココ、イソギンチャクの群生地じゃん。｣
｢ふぎゃっ！出たな、そっくり兄弟と、真っ白のでかいヤツ！｣
真っ白のでかいヤツって……
そのまま……だね。
｢なにか、悩み事を抱えているようにお見受けしますが……。｣
｢どっかの誰かさんたちにこき使われて、ちょ〜困ってマーす。｣
｢あはっ、契約違反したイソギンチャクがなんか言ってる〜。｣
『本当だね。自業自得なのに。』
｢お前らは文句言える身分じゃねぇんだよ。黙ってろ。｣
フロイドくんの怒った声。
普段とは違い一段と低くなる。
イソギンチャク達は怯んだのか、身をちぢめていた。
｢僕が話しかけているのはイソギンチャクたちではなく、貴方ですよ。オンボロ寮の監督生さん。｣
監督生は呼ばれたことに警戒してるのか、怯えているのか……
そんな様子をフロイドくんがエビみたいって言ってた。
"小さいエビ"で小エビちゃんだそうだ。
フロイドくんらしい。
イソギンチャク達は口々に、｢先輩たちに比べれば大抵の生徒は小さい｣とか、｢迫力がありすぎる｣とか言ってた気がする。
僕はフロイドくんとジェイドくんよりは低いけど、さほど変らないから。
まぁ、圧迫感が凄いのは認めるかな。
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作者名：雨鯱 | 作成日時：2020年8月29日 21時
