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21話 ページ23

僕はようやく厨房の締め作業を終え、VIPルームに居るであろうアズールくんの元へ報告にきた。


『寮長……アズールくん、Aだけど、入っていいかな?』


扉の外から声をかけるが返事はない。


『アズールくん?入るよ?』


そっと扉を開けると、机に突っ伏しているアズールくんの姿が。
僕が入ったのにも関わらず、起きて来ないのはそれほど疲れが溜まってたのかな。


『無理しちゃいけないよ。アズールくん。』


アズールくんの頭を撫でてそっとユニーク魔法を使う。
もちろん俺に変わって使わないと意味がねぇからな。


『ヒーリング・ザ・シー「癒しの海」』


使ってから驚いた、体のだるさ、肩や目の痛み、疲労感がとてつもなかった。


『こいつ…こんなに溜めてやがったのか。』


ユニーク魔法を使った代償が来る前に、アズールを起こして部屋に戻ってもらわねぇと。
アズール相手に隠し通すのは無理だからな。

ユニーク魔法を解き元の人格へ戻り、アズールくんを起こそうとしたとき。


「A、僕にユニーク魔法を使いましたね?」

『え。アズールくん……起きてたの?』


寝てたと思っていたアズールくんが、凄い目でこっちを見てた。
まずい……


『い、いつから?』

「お前が僕の頭に触れた時です。身体が一気に軽くなる感覚があったので。」

『あ、ははは……大丈夫だって。ちょっと熱出すだけだからさ。』


ユニーク魔法を併用した分、1日は寝込むかもしれないけれど…!
それでも、アズールくんが寝込むよりよっぽどいい。
僕は君たちを守り続けれればそれでいいのだから。

そう言うと、はぁ。と大きなため息をつくアズールくん。


「今回は許します。本当に助かったので。Aありがとうございます。ただし!2度目はありませんよ!」

『は、はーい。』


物凄い剣幕で釘を刺してくる。
……約束はできないけどね。


「で、僕に何か用だったのでは?」

『あ、厨房締め作業終わりましたって報告しに。』

「ご苦労様でした。Aもしっかり休むように」

『アズールくんこそ。しっかり休みなよ。』

「わかってます。」


イソギンチャク達が多い分、アズールくんは大変なんだろうな。
少しでも、力にならなきゃ。

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作者名:雨鯱 | 作成日時:2020年8月29日 21時

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