と「本丸ー初期刀ー」 ページ7
Aが目を開けると、少し歪んだ門の前に立っていた。
静かに門を開け、敷地に踏み出す。
かつては豪壮でさぞかし賑わっていたであろう屋敷は、
池は濁り、花は枯れ...
障子は破かれ、雑草が生い茂る...
最後の訪問からどれくらい時間がたったのだろうか、まさに無法地帯と化していた。
｢まずは、掃除だね｣
菊世は渡された地図を元に、審神者専用の後付けの平屋に荷物を運ぶ。
小春に渡されたジャージに着替え、再び外へ出た。
｢霊力を使って一瞬できれいにできたら良いのだけれど...｣
ーー
「Aさん、霊力の測定をしましょう」
・・・研修時に小春の監督の元、霊力の限界値の測定を行った。
私は死ぬことはないけれど、一瞬で限界まで霊力を使った結果、10分少々気を失ってしまったのだ。
「Aさん！徐々にと申し上げたでしょう！！一瞬で限界まで使うなんて…普通だったら灰になって死にますからね！！！」
「わかったよ...わかったから落ち着いて」
「わかってませんね！？もぅ...貴女だけが頼りなんですからね！」
と、坊やから説教をくらった・・・
ーー
「まずは、初期刀様にご挨拶、と。どこかな...」
Aが地図を眺めていると、いつの間にやら赤いジャージの人影が見えた。
「あんただな、今度の審神者は」
Aが声のする方へと目線を上げると、そこには碧色のビー玉のように綺麗な瞳が彼女を捉えていた。
「綺麗な瞳ね。君が初期刀さん？」
「き、綺麗とか、言うな！あ、いや...俺は山姥切国広だ。」
「私は一条A。仰る通り、新しい審神者だよ。」
「よく来てくれたな。あの役人から命の危険があると警告されなかったのか？」
「されたよ。でも、私はどうやら死なないらしいから、天職かもしれないね」
「やはりな。俺はあんたを見たことがある。その紫陽花のような不思議な色の瞳、覚えてるぞ。」
「あら、それはうれしいねぇ。長生きしてるから、どこかですれ違ったのかもね...
ところで、君は審神者が嫌いじゃないの？」
「嫌いさ。だが、あんたは違う。言っただろう、俺はあんたを見たことがある。
それに、俺はあの役人があんたに近づいたときから、あんたのことを役人伝えに知っていたんだ...
それで、俺が指名した。」
そっと布で赤くなった顔を隠す。
「初期刀様直々のご指名とは、なんて名誉なこと。」
ラッキーカラー
あずきいろ
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詩苑(プロフ) - 面白いとかの感想の前にセリフカラーで読みにくい。 (6月25日 0時) (
レス) @page7 id: c3d5b8047c (このIDを非表示/違反報告)
小枝(プロフ) - よっしーさん» ご愛読ありがとうございます！何度も読み返す程気に入ってくださったのですね…嬉しい限りです！不定期更新ではありますがよろしくお願いします！ (2023年1月27日 5時) (レス) id: bef153b913 (このIDを非表示/違反報告)
よっしー(プロフ) - はじめまして！とても面白く何回も読んでしまいました！更新楽しみにしてます！ (2023年1月22日 23時) (レス) id: c700d17df9 (このIDを非表示/違反報告)
小枝(プロフ) - アリス・キーリングさん» ご愛読ありがとうございます！カラーについては以前より苦心しておりました。カラーにも黒字にも長所がございますので、読者の皆様が読みやすい作品となりますよう、精進してまいります。 (2022年11月24日 2時) (レス) id: bef153b913 (このIDを非表示/違反報告)
アリス・キーリング(プロフ) - レス失礼致します。とても面白くすぐに読み切ってしまいました。一点カラーでのセリフを辞めていただけると助かります。ピンクや薄い青、薄紫など白い背景のためどうしても見にくくなっています。できればで良いのですが黒字で書いていただけませんでしょうか? (2022年11月16日 22時) (レス) @page33 id: 8740f5ba7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小枝 | 作成日時：2022年7月18日 17時
