て「月見酒」 ページ35
「Aさん！お粥を作ってみたんだけど、どうかな？」
燭台切が持ってきた粥を口に運ぶ。
「うん、とても美味しいねぇ。それに、ほんのり生姜の味もするけれど、いつの間に私の好みを把握したのかな？」
「それは、押し入れの彼に聞いたんだよ」
と、全員の視線が押し入れに集まる。
「み、見るな！！！」
とまた深く布をかぶってしまった。
―――
「皆、見舞いに来てくれてありがとう。おやすみ」
「A、また明日ゆっくりと茶を飲もう。」
Aは微笑み手を振った。
皆を見送り、離れの戸を閉めようとしたとき、本丸の縁側に月見酒を仰ぐ者が目に入る。
「私も一杯いただこうかねぇ」
――――
「...あんた、噂の新しい審神者かい？」
艶やかな長髪を揺らし、酒を片手に呟く。
「そんなに噂になっているとは...私も有名になったものだ。ところで、一杯ご一緒しても？」
拒絶されることを覚悟していたAの期待とは裏腹に、男士はあっさりと了承した。
男士の隣に腰を下ろすと、彼はそっと、月明かりが反射した猪口を差し出す。
「ねぇ、あんたはさ、
「そうだね、私はひとに恵まれているようで、ひとりになったことはないかな、500年くらい生きてて、数多のひとを見送ってきたけれど。
ひとりをどう定義するかは、ひとそれぞれなんじゃないかな。」
その言葉の後に、彼の瞳に少し光が戻った。
「そうよね...あたし、兄貴がいなくなっちゃってから勢いがなくなってさぁ。でも、あんたの話を聴いて、次郎さん少し元気になった！」
と、微笑みながらAとの距離を縮めた。
Aは猪口を彼に差し出し、乾杯を求めた。
その光景を見つめる視線に気づきながら．．．
ラッキーカラー
あずきいろ
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詩苑(プロフ) - 面白いとかの感想の前にセリフカラーで読みにくい。 (6月25日 0時) (
レス) @page7 id: c3d5b8047c (このIDを非表示/違反報告)
小枝(プロフ) - よっしーさん» ご愛読ありがとうございます！何度も読み返す程気に入ってくださったのですね…嬉しい限りです！不定期更新ではありますがよろしくお願いします！ (2023年1月27日 5時) (レス) id: bef153b913 (このIDを非表示/違反報告)
よっしー(プロフ) - はじめまして！とても面白く何回も読んでしまいました！更新楽しみにしてます！ (2023年1月22日 23時) (レス) id: c700d17df9 (このIDを非表示/違反報告)
小枝(プロフ) - アリス・キーリングさん» ご愛読ありがとうございます！カラーについては以前より苦心しておりました。カラーにも黒字にも長所がございますので、読者の皆様が読みやすい作品となりますよう、精進してまいります。 (2022年11月24日 2時) (レス) id: bef153b913 (このIDを非表示/違反報告)
アリス・キーリング(プロフ) - レス失礼致します。とても面白くすぐに読み切ってしまいました。一点カラーでのセリフを辞めていただけると助かります。ピンクや薄い青、薄紫など白い背景のためどうしても見にくくなっています。できればで良いのですが黒字で書いていただけませんでしょうか? (2022年11月16日 22時) (レス) @page33 id: 8740f5ba7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小枝 | 作成日時：2022年7月18日 17時
