ら「燭台切」 ページ22
――本丸 台所
昼餉を作り終えたであろう彼は、食事はせずに台所に居た。
壁に背中を預けて、座っている。
「ずっとここにいたら、風邪ひいちまうよ?」
Aがしゃがみこんで目線を合わせようとしたが、彼は片手で顔を隠していた。
「僕は、大事なことを忘れていたよ…貞ちゃんが折られたことで頭が一杯で、僕は、僕は…」
Aは隙あらばと、彼の口に…
「ずんだ餅だよ」
安心してください、一口サイズですよ。
「君の言う貞ちゃんは、私が必ず修復するよ。伊達男の涙もいいけれど、笑顔も見てみたいからね」
紫陽花色の瞳が、彼を包み込む。すると、彼は立ち上がり、Aに手を差し伸べて微笑んだ。
「そうだね、こんなんじゃ格好つかないよね。」
Aは彼の手を取り立ち上がり微笑んだ。
「僕に大切なことを思い出させてくれて、本当にありがとう。そして…ごめんね。君に酷いこと言ってしまって…」
と、眉が八の字になる。
「大丈夫、大丈夫。当然の反応だと思っていたから、気にしてないよ。」
「ありがとう、こんな僕だけどよろしくね、主」
そっと出された手を握り、Aは微笑みを向けた。
ラッキーカラー
あずきいろ
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詩苑(プロフ) - 面白いとかの感想の前にセリフカラーで読みにくい。 (6月25日 0時) (レス) @page7 id: c3d5b8047c (このIDを非表示/違反報告)
小枝(プロフ) - よっしーさん» ご愛読ありがとうございます!何度も読み返す程気に入ってくださったのですね…嬉しい限りです!不定期更新ではありますがよろしくお願いします! (2023年1月27日 5時) (レス) id: bef153b913 (このIDを非表示/違反報告)
よっしー(プロフ) - はじめまして!とても面白く何回も読んでしまいました!更新楽しみにしてます! (2023年1月22日 23時) (レス) id: c700d17df9 (このIDを非表示/違反報告)
小枝(プロフ) - アリス・キーリングさん» ご愛読ありがとうございます!カラーについては以前より苦心しておりました。カラーにも黒字にも長所がございますので、読者の皆様が読みやすい作品となりますよう、精進してまいります。 (2022年11月24日 2時) (レス) id: bef153b913 (このIDを非表示/違反報告)
アリス・キーリング(プロフ) - レス失礼致します。とても面白くすぐに読み切ってしまいました。一点カラーでのセリフを辞めていただけると助かります。ピンクや薄い青、薄紫など白い背景のためどうしても見にくくなっています。できればで良いのですが黒字で書いていただけませんでしょうか? (2022年11月16日 22時) (レス) @page33 id: 8740f5ba7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小枝 | 作成日時:2022年7月18日 17時