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ただ、憧れていた。
2つ上のその先輩は、性格も成績も容姿も良くて、皆の憧れの的だった。
周りの女の子はみんな、彼を見かける度にかっこいいと騒いでいたし、同意を求められれば、私もそうだねと頷いた。
最初は、本当にただ憧れていただけだったのだ。
彼みたいに優しい人でありたかったし、勉強だって頑張った。容姿に自信は持てなかったけれど、最低限のことはやりたくて、毎日身だしなみに気を使っていた。
でも、いつからだろうか。
茶色の髪に、灰色の瞳。その柔らかな髪に触れてみたかったし、その優しい眼差しを向けられたかった。
クィディッチでできた手のひらのタコをなぞって、その大きく男らしい手を握りたかった。歩幅を合わせて、ゆっくり歩いて、ただ笑い合いたかった。
憧れは、いつの間にか恋に変わっていた。
かつて、同室の親友が教えてくれた。
───私ね、セドリック先輩がすきなの。
当時はただ憧れの存在でしかなかったから、頑張ってねと笑顔で励ますことができた。親友は、鼻筋がスッとしていて、目はぱっちりで、髪はさらさらのストレートで、とても綺麗な容姿をしていた。
なのに。先輩の彼女は、きっとこんな美人な子なんだろうなあと思って、親友の恋を応援するうちに、自分自身も先輩のことを好きになってしまっていたのだ。
それに気がついたとき、親友のかっこいいね、という声に、そうだね、なんて返すことはできなくなっていた。ふとした瞬間に、思いが溢れてしまうかもしれないから。
先輩は、親友が好きな人なのに。
そう思うと、先輩への恋心を認めることなんてできなくて、必死に思いに蓋をした。
大丈夫、これは恋じゃなくて憧れだから。
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伊織(プロフ) - 心臓が掴まれるよんな作品でした！めちゃ面白かったしうわぁぁ傍観者辛ってなりました！後悔って本当にしんどいいいー！ハピエンも好きだけどモヤモヤ終わりも大好きです出会えて良かったです！ありがとうございます (10月25日 22時) (
レス) @page10 id: 56d433994e (このIDを非表示/違反報告)
宇佐原めぐみ(プロフ) - めっちゃめちゃ面白かったです!!好きだけどそれだけで終わってしまって後悔している子も居るだろうな…と映画を見る度思っていたのでそれを読めるとは…と久々にこんなに面白い話が読めると思いませんでした｡補足まで読んであああ〜読みたい〜ってなってます！ (9月2日 10時) (レス) @page10 id: 8edee05259 (このIDを非表示/違反報告)
hoshiimo1101(プロフ) - こういう叶わない恋好きです〜!! (7月20日 13時) (レス) @page7 id: 21b1f6aaed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：深海
| 作成日時：2023年3月18日 19時
