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化粧を直してくる、とAが大広間を出ていくと、ドラコは空いている椅子に座り、グラスに入った飲み物を一気に飲み干した。
普段、貴族が集まるパーティーではこんな真似はしないのだが、今日は別だ。
「楽しんでるかしら」
「…凄く」
「随分素直ね」
そうにやにやと笑いながらドラコに話しかけてきたのは、ダフネとセオドールだ。どうやら2人はパートナーとして来ているらしい。
2人もグラスを手に取ると、その中身を飲み干す。
勿論、普段は乾杯をしたりするのだが、今日はマナーも忘れて2人とも楽しんでいるようだ。
「貴方って、あんな風に笑うのね」
初めて見たわ、とダフネが言う。ドラコとそれなりに親しいセオドールも頷いた。
「まあ、ベネットの前じゃいつもそうなんだろ」
ドラコは、そう言ってからかうセオドールを小突いた。セオドールは笑いを溢した。痛くも痒くもないのだ。
「戻ってきたみたいだ。見ろ、あの男子の好奇の目」
セオドールの言葉で、2人も大広間の入り口に目を向ける。丁度戻ってきたAは、その美しさ故、多くの生徒の注目の的だった。
ホグワーツの男子生徒が1人、ダンスのお誘いだろうか、彼女に声をかけたところで、とうとうドラコは立ち上がった。
「迎えにいってくる」
ダフネとセオドールに見送られ、彼は一直線に彼女の元へ向かった。
「僕と、踊っていただけませんか」
少し震えながら手を差し出した男子生徒の勇敢さに、周囲の生徒は「おお」と声をあげる。
Aが口を開こうとしたその瞬間、ドラコがAの腰に手を回し、華奢な体を引き寄せた。
「僕の許嫁に何か」
まるで、王子様のような、はたまた、ヒーローのライバルのような、そんな登場である。
しかし、いつもはドラコを"嫌味な奴"と思う生徒も、そんな彼に心を奪われてしまった。
いつもならば悪役に見えてしまう彼も、今夜ばかりは王子のようだったのだ。
Aはドラコを一瞥すると、男子生徒に返事をした。
「ごめんなさい。私、彼としか踊らないの」
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Alice(プロフ) - ダンスの誘い方やばすぎです！！もう深海さんの書き方好きすぎます！命がいくつあっても足りません(*´ཫ`*)このふたり永遠に幸せになれ！ (2023年3月1日 13時) (
レス) id: fa4665eb65 (このIDを非表示/違反報告)
ありもぎ - ヤバいです！私の心臓がもたないぐらいドッキドッキしてました！最高です！この作品に出会えて本当に良かったです！ (2022年3月28日 21時) (レス) @page42 id: 2f0ff669f2 (このIDを非表示/違反報告)
エマ - 読む手がとまらなかったです、、感動しました。深海さんが描くドラコの姿が本当に大好きです。 (2022年3月25日 18時) (レス) @page47 id: 6cc22acf6a (このIDを非表示/違反報告)
たにぴこ - 深海さんの書くマルフォイとの作品がこの作品に限らず大好きです。少し頼りないマルフォイと上品で芯のある主人公が大好物過ぎて最高です！！応援してます！ (2022年3月6日 17時) (レス) @page1 id: eef41b04d0 (このIDを非表示/違反報告)
u(プロフ) - 夢主とマルフォイの立ち位置が決まっていた理由までしっかりしていてもう本当に素晴らしいです…泣 (2021年2月23日 22時) (レス) id: 01ce421b84 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：深海
| 作成日時：2020年11月12日 1時
