検索窓
今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:21,972 hit

第二十二話 ページ23

▼▽▼




「ま、まあ人の秘密?ですから守るのは当たり前ですし……」


なぜいきなりそんな事を?と、頭のなかに?マークを浮かべながら返事をする。


「……ふふ、ま、そうかもしれないけどさ。でも、俺が「口外無用に」って言わなくても、ちゃんと秘密にしておいてくれるんだろ?」

「……まあ、そうかもしれないけど」

「……それに、俺が泣いてたってこと、誰にも言わないでくれてたみたいだし。」


桃瀬はそう呟いてから、照れたように頭をかいた。


「……俺のこと、他人だったのにちゃんと考えてくれてるんだなって思って。」

「……それは……」

「自惚れかもしれないけど、嬉しかった。俺、佐倉さんのそういう思いやりのあるところ、好きだよ。」


好き、という言葉に大きく胸が跳ねた。それまで飾りを漁っていた手が止まり、顔に熱が集まるのを感じる。

………え、今私口説かれてる?なんて、頭の中ではそんなバカなことを考えられるのに、体はショートして固まっている。


「……桃瀬くん、人たらし」

「え、……あ」


フリーズ状態からやっと出てきた言葉に桃瀬の動きが止まって、固まり、やがて慌て出す。


「べ、別になんか、そういう変な意味はないから!普通に人間として好きなところ、ってのを言っただけで…!」


そうだ、桃瀬は当たり前のことを言っている。間違ってなんかない、はずなのに。

桃瀬の必死に否定する声に、ずしり、と何か重いものが胸にのし掛かった気がした。

……なんでだろう。ただ性格が好きって言われただけなのに、こんなにも嬉しくなったり悲しくなったりするなんて、何かおかしい。




「……分かってまーす」





そう、自分に言い聞かせるように呟いた。

……変なの。

第二十三話→←第二十一話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (36 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
101人がお気に入り
設定タグ:すとぷり , さとみ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

佐薙(プロフ) - わたぐもちゃん@推しが尊い連盟さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけると作者冥利に尽きます…!! (2020年1月12日 16時) (レス) id: c21af064dc (このIDを非表示/違反報告)
わたぐもちゃん@推しが尊い連盟(プロフ) - こんにちは!!素敵な作品ですね!!たくさん大援しますね!! (2020年1月12日 1時) (レス) id: f4327bfb3f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:佐薙 | 作成日時:2020年1月6日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。