第二十二話 ページ23
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「ま、まあ人の秘密?ですから守るのは当たり前ですし……」
なぜいきなりそんな事を?と、頭のなかに?マークを浮かべながら返事をする。
「……ふふ、ま、そうかもしれないけどさ。でも、俺が「口外無用に」って言わなくても、ちゃんと秘密にしておいてくれるんだろ?」
「……まあ、そうかもしれないけど」
「……それに、俺が泣いてたってこと、誰にも言わないでくれてたみたいだし。」
桃瀬はそう呟いてから、照れたように頭をかいた。
「……俺のこと、他人だったのにちゃんと考えてくれてるんだなって思って。」
「……それは……」
「自惚れかもしれないけど、嬉しかった。俺、佐倉さんのそういう思いやりのあるところ、好きだよ。」
好き、という言葉に大きく胸が跳ねた。それまで飾りを漁っていた手が止まり、顔に熱が集まるのを感じる。
………え、今私口説かれてる?なんて、頭の中ではそんなバカなことを考えられるのに、体はショートして固まっている。
「……桃瀬くん、人たらし」
「え、……あ」
フリーズ状態からやっと出てきた言葉に桃瀬の動きが止まって、固まり、やがて慌て出す。
「べ、別になんか、そういう変な意味はないから!普通に人間として好きなところ、ってのを言っただけで…!」
そうだ、桃瀬は当たり前のことを言っている。間違ってなんかない、はずなのに。
桃瀬の必死に否定する声に、ずしり、と何か重いものが胸にのし掛かった気がした。
……なんでだろう。ただ性格が好きって言われただけなのに、こんなにも嬉しくなったり悲しくなったりするなんて、何かおかしい。
「……分かってまーす」
そう、自分に言い聞かせるように呟いた。
……変なの。
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佐薙(プロフ) - わたぐもちゃん@推しが尊い連盟さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけると作者冥利に尽きます…!! (2020年1月12日 16時) (レス) id: c21af064dc (このIDを非表示/違反報告)
わたぐもちゃん@推しが尊い連盟(プロフ) - こんにちは!!素敵な作品ですね!!たくさん大援しますね!! (2020年1月12日 1時) (レス) id: f4327bfb3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:佐薙 | 作成日時:2020年1月6日 20時