第十九話 ページ20
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「えー、こんな感じかな?生徒会的には三年生が本部に来てもらえると助かります。」
時間あげるので、ちょっと考えてみて、という会長の言葉で、教室内が少し騒がしくなる。
「A先輩はどれにするんですか?」
「ん、私?まあ広報が一番良いけど三年生だし…。莉犬くんは?」
「僕は一年なので、本部はちょっと遠慮しておきたいですね。そうだなあ、企画実行班あたりかな、ってところです」
「ああ、莉犬くんあれだね。司会者とか似合いそうだね」
「……はい、じゃあ手を上げてください。実行委員長やりたい人」
……教室は静まりかえる。
「……本部なので三年生にお願いしたいです。誰かいない?」
「「「「………」」」」
「……三年生、集合。じゃんけんして負けた人ね、委員長。」
「ちょ、なーくんそれはない!」
「会長、さすがにそれは…」
「大丈夫、三年生は皆しっかりしてるから!」
ジェルと蜂須賀があわてて抗議するも、会長は笑顔を保ったままその願いを遠回しに却下する。
「……はぁ、やろっか、じゃんけん」
「さとみくん!?」
「なーくんはこうなったら動かないでしょ、ジェルくん。腹括ろうぜ」
「くっ……やるしかないんか…」
「ああもう、相変わらず雑な会長ね。ほら、佐倉おいで」
「え、ホントにやるの?」
とても不満だったが、三年生役員が総員で腹を括っているのだから逃げられない。そう悟った。
「「「「……最初はグー!じゃんけんポン!!」」」」
次の瞬間。
私と桃瀬が崩れ落ち、ジェルと蜂須賀はガッツポーズをしていた。
つまり、私と桃瀬が負けた。
「いょっしゃ!!委員長回避!!」
「……ふぅ」
「はーい、じゃあさとみくんと佐倉さんのどっちかね」
「「………」」
「やばい、二人とも目がガチだ」
……こうなったら何がなんでも勝つしかない。絶対に委員長だけは回避してやる。
「それじゃあいくよ?最初はグー…」
「「じゃんけんポン!!!」」
「やった!勝った!」
「くっそ負けた!!」
死ぬ気でじゃんけんをした結果。無事に私は委員長を回避した。
「じゃあさとみくんが委員長ね」
「あー、めっちゃ悔しい…」
「ふふ、頑張ってねさとみくん、ふふ」
「半笑いで言われても嬉しくねぇよころん…」
肩を落として席に戻っていく桃瀬を見ながら、私も席に戻る。
もう安心だー、と思った瞬間
「じゃあ副委員長は佐倉さんね」
…会長が私の平和をぶち壊した。
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佐薙(プロフ) - わたぐもちゃん@推しが尊い連盟さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけると作者冥利に尽きます…!! (2020年1月12日 16時) (レス) id: c21af064dc (このIDを非表示/違反報告)
わたぐもちゃん@推しが尊い連盟(プロフ) - こんにちは!!素敵な作品ですね!!たくさん大援しますね!! (2020年1月12日 1時) (レス) id: f4327bfb3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:佐薙 | 作成日時:2020年1月6日 20時