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第十九話 ページ20

▼▽▼




「えー、こんな感じかな?生徒会的には三年生が本部に来てもらえると助かります。」


時間あげるので、ちょっと考えてみて、という会長の言葉で、教室内が少し騒がしくなる。


「A先輩はどれにするんですか?」

「ん、私?まあ広報が一番良いけど三年生だし…。莉犬くんは?」

「僕は一年なので、本部はちょっと遠慮しておきたいですね。そうだなあ、企画実行班あたりかな、ってところです」

「ああ、莉犬くんあれだね。司会者とか似合いそうだね」

「……はい、じゃあ手を上げてください。実行委員長やりたい人」


……教室は静まりかえる。


「……本部なので三年生にお願いしたいです。誰かいない?」

「「「「………」」」」

「……三年生、集合。じゃんけんして負けた人ね、委員長。」

「ちょ、なーくんそれはない!」

「会長、さすがにそれは…」

「大丈夫、三年生は皆しっかりしてるから!」


ジェルと蜂須賀があわてて抗議するも、会長は笑顔を保ったままその願いを遠回しに却下する。


「……はぁ、やろっか、じゃんけん」

「さとみくん!?」

「なーくんはこうなったら動かないでしょ、ジェルくん。腹括ろうぜ」

「くっ……やるしかないんか…」

「ああもう、相変わらず雑な会長ね。ほら、佐倉おいで」

「え、ホントにやるの?」


とても不満だったが、三年生役員が総員で腹を括っているのだから逃げられない。そう悟った。


「「「「……最初はグー!じゃんけんポン!!」」」」


次の瞬間。

私と桃瀬が崩れ落ち、ジェルと蜂須賀はガッツポーズをしていた。

つまり、私と桃瀬が負けた。


「いょっしゃ!!委員長回避!!」

「……ふぅ」

「はーい、じゃあさとみくんと佐倉さんのどっちかね」

「「………」」

「やばい、二人とも目がガチだ」


……こうなったら何がなんでも勝つしかない。絶対に委員長だけは回避してやる。


「それじゃあいくよ?最初はグー…」

「「じゃんけんポン!!!」」

「やった!勝った!」

「くっそ負けた!!」


死ぬ気でじゃんけんをした結果。無事に私は委員長を回避した。


「じゃあさとみくんが委員長ね」

「あー、めっちゃ悔しい…」

「ふふ、頑張ってねさとみくん、ふふ」

「半笑いで言われても嬉しくねぇよころん…」


肩を落として席に戻っていく桃瀬を見ながら、私も席に戻る。

もう安心だー、と思った瞬間


「じゃあ副委員長は佐倉さんね」


…会長が私の平和をぶち壊した。

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佐薙(プロフ) - わたぐもちゃん@推しが尊い連盟さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけると作者冥利に尽きます…!! (2020年1月12日 16時) (レス) id: c21af064dc (このIDを非表示/違反報告)
わたぐもちゃん@推しが尊い連盟(プロフ) - こんにちは!!素敵な作品ですね!!たくさん大援しますね!! (2020年1月12日 1時) (レス) id: f4327bfb3f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:佐薙 | 作成日時:2020年1月6日 20時

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