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第十四話 ページ15

▼▽▼




「ねえ、聞いた?さとみくんのこと!」

「うん、聞いた。彼女と別れたって事でしょ?」

「これでウチらにもチャンスあるじゃん!よっしゃ!」

「(……)」


……どこを歩いても桃瀬の噂。うちの学校の女子達は、最近ずっとこの話題だ。

風邪を引いた日の翌日、学校に行けば「桃瀬里見が彼女と別れた」という話が飛び交っていた。なんでも本人が男友達に言ったらしい。


「王子、彼女と別れてたんだね」

「蜂須賀までその話題?」

「まあね。気になるし」


それとも何、なんかダメなところでもあるの?と蜂須賀が聞いてくる。


「…別に?ただ人の不幸を喜ぶのかなって」

「……まあそうね。でもそう思うことで自分が救われるんだもん。良いんじゃない?」


蜂須賀は時々、不思議な発言をする。他人なんてどうでもいい、という真意が込められたような発言を。


「佐倉さん、あかり、ちょっと良い?」


そのままぐだぐだしていると、ふと誰かに話しかけられる。振り向けばそこには、クラス委員の女の子が居た。話したことのない女の子で、思わず身構える。すると蜂須賀が苦笑しながら応えてくれた。


「はいよ、何?」

「文化祭実行委員の打ち合わせ、今日の放課後に決まったから。場所は3年1組ね。」

「……ん?」

「分かった。持ち物は?」

「筆箱だけで良いって」


女の子はそれじゃ、と言って自分の席へ帰っていく。……いやちょっと待て。


「私、文化祭の実行委員なんて引き受けてたっけ?」


すると蜂須賀はああ、と呟く。


「あんたが風邪で早退したときに決まったの。私は立候補だけど、あんたは自動的に決まったわ。」

「……はい?」

「いや、先生が蜂須賀と組ませるなら佐倉だろ、って言ってさ?反対するやつ居ないし決定」

「それ押し付けられただけじゃない?」

「そうとも言える」

「ええ…」


正直めんどくさい。私が面倒だと思うのだから、きっと他の皆も面倒だと思ったのだろう。だから私に押し付けたのか


「いつから押し付けられる存在になったんだよ私…」


どっとマイナスな感情が流れ込んでくる。はあ、と大きくため息をついて机に突っ伏した。


「……ま、嫌なら変われば?たぶん放課後には変われー!って言われるよ」

「は、なにそれ。皆私に押し付けたくせに?」

イライラしながらそう返せば、蜂須賀はうん、と頷く。そして言った。

「だって実行委員のメンバー、王子全員集合だもん」


……何だって?

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佐薙(プロフ) - わたぐもちゃん@推しが尊い連盟さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけると作者冥利に尽きます…!! (2020年1月12日 16時) (レス) id: c21af064dc (このIDを非表示/違反報告)
わたぐもちゃん@推しが尊い連盟(プロフ) - こんにちは!!素敵な作品ですね!!たくさん大援しますね!! (2020年1月12日 1時) (レス) id: f4327bfb3f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:佐薙 | 作成日時:2020年1月6日 20時

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