死神に恋をしました (ページ11)

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第8話ページ11

ボスside

『ひ、一目惚れしました！』

そう言われた時には驚いた

確かにAは結構可愛い

過去にも、Aが担当した奴の中でAに恋愛感情を抱いていた奴らも少なくはない

この組織内にも何人かはいるしな

だが…

ふと気になったことを質問してみた

｢だけど君は歌い手だろう？それも人気の。
もしもこれがバレたらやばいんじゃない？｣

これは遠回しにやめてくれと言っているようなものだ

恐らくAもこの言葉の意図には気づいている

でも、これ以上Aを傷つけないためにはここまで探りを入れる必要がある

『歌い手、ですけど…でも恋愛をするのは個人の自由です！
それに…もしもバレたら、ぼくは歌い手よりもAを優先します！』

そして中々面白い答えが返ってきた

歌い手よりもAを優先する、か

つまりそれは仲間よりもA、つまり死神を優先するのと同じだ

その返答に思わず

｢へぇ…｣

と言葉が漏れた

｢ま、いいんじゃない？｣

『え…/は…』

許可を出すと呆気にとられたような声が画面越しに聞こえてきた

｢中々面白そうだし、何かあったら私たちが何とかするよ。
ね？A｣

『ッ…ですが！』

｢A｣

『！…すみません』

思わず声を荒らげたAに少し低い声で静止の言葉をかける

｢ん、大丈夫だよ。私たちを信じて｣

『はい…』

Aは腑に落ちないようだ

過去のことを知っているのは私と朔夜だけだ

あの事も関係していて中々距離を詰めるのに抵抗があるみたいだ

まぁでも、今回は大丈夫なんじゃない？

本当にAにベタ惚れのようだし、何よりあの子の友達には確かアイツがいたはず…

Aは頭の隅では感ずいているかもしれない

まぁ気づいてはないだろうけど

｢中々、面白くなってきたじゃないか…｣

この先の展開に思わず笑が零れる

さて、これからどうなるかな…