【文スト】月下の桜は今日も微笑む

28枚目 ページ30

「犯人は＿＿＿」
犯人は？


「君だ」
デデーンッ！！


「桜は一寸静かにしてい給え」
何故心を読まれたし。もしや貴方は異能力者か…！？あ、異能力者だわ。


…こほん。それは置いておいて
『少年。恨むのなら過去の自分の行いを恨んだ方が幸せだよ』


恨んだら幸せになるのか？…ならないな、うん。
『てか私めっちゃ良いこと云ったなぁ…って、あれ？』


誰も聞いてないとか無しだよね！？
そして私また話が脱線してるじゃないか。いけないいけない。
てか今何の話してるんだっけ？


「……っ！！」


少年が拳銃に手を持っていく。撃つのかな？


『ねぇ、お兄さん。それ、使う心算なの？』


だったらさ……私を撃ってみてよ＿＿＿＿＿


ふと口から出た言葉。撃たれるかもしれないというのに私は冷静だった。
それどころか私の口には笑みが浮かんでいる。底意地の悪そうな笑みが。


「行け、敦君！！」
「うわああっ！？」


…邪魔が入ったか。詰まらないなァ


こうして軍警のお兄さんは無事捕まって事件は解決。
どうやら被害者の美人さんは彼の恋人だったらしい。リア充かよ…ﾁｯ


そして今は皆で探偵社に戻る途中。


『しっかし軍警も馬鹿だよなぁ。あんなにやる気のある青年を試験に落とすなんて』
「私からしたらあの状態で彼に喧嘩を売った君の方が馬鹿だと思うけれど」


何をそんなに怒っているんだか。
別に良いじゃないか、面白そうだったのだから。


そんな風に他愛のない話をしながら探偵社に戻る私達の後ろでは
眩い夕陽が煌めいていた。斜陽とはこれの事か。

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