番外編 黄緑色と。 ページ24
youside
今日は風が気持ちいい。
私は、今どこにいるかって？
屋根の上ですよ。
思い出の。
久々に、ゾムがここで手合わせをしたいっていうから、つい来てしまった。
本当に、この人達に会わなかったのなら、私は今どこで何をしているんでしょうか。
きっと、ゴキブリ以下の価値の生活でしょうね。
さあ、始まるようだ。
腰から、ショーテルを引き抜く。
それから、背後から飛んでくるナイフをショーテルで受け止めた。
ﾋﾊﾊﾊﾊ
『ゾム。
手合わせをする時には、まず礼をして相手の目を見てから始めるものよ。』
「はぁー？何言ってんの。俺らにそんなんいらんやろ。」
確かにそうだ。
私もそう言っておきながら、足音でわかっていたのだから。
『ふーー。
そう、かけ声をすると一気に距離を詰めるゾム。
手の内は見え見えなんだよ。
普通なら、こんなに速く詰め寄られたら、後ろに引くものだと思う。
だけど、彼はそれを狙っている。
だから、足をあげて脇腹に蹴りを入れようとするが、かわされる。
体術を使った後には、隙が生じる。
それを狙って、今度は、首を直に狙ってくる。
まあ、それもかわしますが。
あの日、あの時、私達は最悪な状態の中で最悪な関係で出会った。
嗚呼、何故今涙が出るのだろうか。
なんて幸せなんだろうか。
貴方になら殺されてもいいなんて思った。
私はおかしくなった。
嗚呼、愛している。
貴方達を、心の底から愛しています。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
zmside
目の前にいる彼女は泣いている。
この幸せな現状に。
俺は分かる。
心ゆくまで、この世が終わる時まで、俺の体が散るまで。
お前を大切にする。
俺を変えてくれてありがとう。
俺は。
「
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
??side
ｶｯｶｯｶｷﾝｶｷﾝ
夜に響く。
心地よい、金属同士のぶつかり合う音と、足音。
暗闇に包まれながら、2人で踊っているかのような。
人は、美しい。
だから、醜い。
さあ、このワルツに、音楽を添えましょう。
ダンスの邪魔をしないように。
さあ、踊り狂え。
貴方達に幸あれ。
終わり
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作者名：黒猫 | 作成日時：2020年4月25日 16時
