番外編 茶色と。 ページ15
youside
訓練も終わり、汗をかいたのでシャワーを浴びた。
スッキリした身体で行くのは、図書室。
扉を開けて入ると、図書室独特の匂いと共にやってくるのは、紅茶の匂い。
私はこの匂いが好きだ。
図書室の中にいる、人に声をかける。
『エミさん。』
「ふふ、あなただとは思ってましたよ。
さあさあ、座って。紅茶を入れてきます。」
そう言って、奥の部屋に入っていく。
机には、難しそうな戦艦の本を置いて。
彼は、お盆に、クッキーと紅茶を入れたカップを置いて運んでくる。
『ありがとう。』
というと、ﾆｺﾘと微笑む姿は紳士的だ。
相変わらず、エミさんの入れる紅茶は美味しい。
それから、私達は静かな部屋の中で話し始める。
私は、今日あったことを。
エミさんは、本のことを。
話し下手な私の話を根気よく、うんうんと頷きながら聞いてくれるから、話しやすい。
今日は、訓練中に蝶を見た。その時にエミさんに似ているなと思った。と話せば、
「昔グルッぺンさんにも言われましたよ。」
と言われた。
嗚呼、なんて幸せなのだろうか。
時間なんて止まってくれないだろうか、と願えば願うほど、風は吹き、川の水は流れる。
止まってはくれない。
だから、大切なのだろう。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
emside
図書室の扉が開く。
Aさん。
毎日、彼女は太陽の匂いを漂わせながら、この時間に来る。
そんな彼女を心待ちにしている自分がいる。
彼女は、少し甘めの紅茶が好きだ。
だから、自分のよりも、少し砂糖を多めに。
それから、彼女は、今日あったことを教えてくれる。
ゾムさん、ショッピ君、チーノ君。それから……
だから、急に、自分が蝶に似ているなんて言われて驚いた。
少し嬉しかったなんて、口が裂けても言えない。
この時間が続けばいい。
君は、この紅茶の量を無限大と考えますか？
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
何が言いたいのかわからない文になってしまいました。すみません。
最後のは、エミさんのゆっくりの「君はこのコーヒーの量を無限大と考えるのかい。」を少し変えて使わせて頂きました。
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作者名：黒猫 | 作成日時：2020年4月25日 16時
