番外編 紫と。 ページ14
youside
朝食を食べ終わったし、いつも通り射撃場に行くかぁ。
そう思い、長い廊下を歩き、外へ出る。
目の前に広がっているのは、とても大きい射撃場。
そこに、1人で銃の点検をしている人がいる。
近づき、
『ショッピ君。』
声をかける。すると彼は、顔をあげずに、
「Aさん。こんな朝早くに来るのあんただけですよ。」と笑いながら、返してくれる。
『勝負しよ。』
と言うと、彼は何も言わずに、その場を立ち、銃を選びに行った。
私たちの間の言葉は少ないが、この位が1番居心地がいい。
私も自分の銃を選ぶ。
それから、2人、隣に立ち、銃を構える。
ﾊﾟﾝ、ﾊﾟﾝ
と綺麗な銃声だけがこだまする。
再び弾をこめる。撃つ。を繰り返す。
2人の銃弾がちょうどなくなった。
結果は、引き分けだ。
結構よかったと思ったのに。
『引き分けだァァァ…』と叫ぶと、
「これじゃあ、暗殺部隊副隊長の名が立ちませんね。もうちょい手加減した方がよかったすか？」
なんて言ってくるもんだから、イラつき、反論しようとすると、
ﾆｬｰと、声がした。見ると、射撃場の中に黒猫が迷い込んでいた。
近づいてみると、擦り寄ってくる。
可愛い。すると、
「可愛い。」とショッピ君も言うもんだからびっくりした。
『ショッピ君って猫好きなの？』
「当たり前っすよ。」なんて真顔で言ったので吹いてしまった。
銃が好き、以外にも猫好きなんて共通点があるなんて、知らなかった。
猫を見ながら、顔をほころばせるショッピ君を見て何故か嬉しい気持ちになっているのは何故だろう。
もっと、みんなのことを知りたいなぁなんて思ってしまってもいいんですかね。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
sypside
Aさんは銃の腕前がすごいと思う。
俺と銃で張り合える人なんて、ゾムさんくらいじゃないかと思う。
終わったあと、煽り倒したが、正直キツかった。
Aさんと喋っていると、猫が出てきてびっくりした。
Aさんが、猫が好きだなんて知らなかった。
猫を撫でくりまわしている姿は、銃を構えている凛とした姿とは違って、愛らしかった。
Aさんが猫好きなこと、他の人は知っているのだろうか。
知らないだろう。
この事を2人だけの秘密にしたいなんて思ってしまう自分がいる。
君の瞳に俺はいますか？
俺の瞳には、君がいます。変ですかね。
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作者名：黒猫 | 作成日時：2020年4月25日 16時
