好きなだけ、それだけ

◎ 041 ページ42

•




ーーー ガチャ




「やまっ... ！お、お母さん！」





外に出ると何故か母親は山田の隣に立っていて、とっさに箱を背中の後ろに隠した。





母「A、涼介くん連れてくるなら言ってよ〜。ご飯食べるでしょ？」


涼介「俺はAを送り届けてただけですから、お気持ちだけ頂きます。」


「ていうか、お母さん山田にくっつかないでよ！近すぎ！」」






母は山田がかなり大好きみたいで、山田に会わせるといつもこう。


カップルか！っていうくらい近づいていて、カフェのオーナーの母親っていうこともあって拒否できない山田。






母「なによー！A、妬いてんの？」


「…はぁ？ ほら ‼ 離れて離れて。」





もうなに言ってるんだか。

ため息をつきながら母の腕を掴み、引っ張った。





「あのね、お母さん。２人だけでいたら世間が変に誤解するでしょ。」


母「え？ お母さん、別にいいけど？」


「ちょっと、冗談でもキツイから。私が嫌なの！

ただでさえ近所付き合いしないんだから、どういう人間か知られてないでしょ。」


母「だって忙しいんだもーん。」





もう、、、！





「も…！ああいえばこういう！あんたは子供か ‼ 我儘かっ‼」


母「もう、うるさいわね。ほら、涼介くん！お家上がって ‼」


涼介「え、あ … 」




山田は母に引っ張られて、戸惑いながらも従っている。



「ふはっ... 、」




戸惑う山田を初めて目撃して思わず笑ってしまった。

それに気づいた山田は、ギョロッと睨みを効かせる。

◎ 042→←◎ 040

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す