episode.75 ページ25
*
阿部side
『はじめまして。急にびっくりさせちゃったかな？ごめんね。僕、阿部亮平って言います。お友達になってくれませんか？』
彼と同じ青いカードを差し出して声をかけた。
お兄さんぶってみたけど、正直心臓が飛び出そう。
母「、あの、それって、」
驚いた顔のお母さんと、未だ涙を流してしゃくり上げながらもポカンとした顔でこちらを見た彼。
「僕も同じの持ってるから、もしかしたら、と思って。」
彼「、、お兄ちゃんも、同じ病気なの？」
「うん、これがお揃いってことは、同じだね。」
母「でも、どうして、」
“ どうして “、初対面のしかもこんなに歳の離れたうちの子に声を掛けてきたのか、多分お母さんはそう思っているのだろう。
「すみません、盗み聞きするつもりは無かった話ですけど、ダンスやってるって聞こえて、お話ししてみたいなって思って。
僕も、ダンスするお仕事してるんです。」
ダンスするお仕事、その言葉を捉えた瞬間、彼の目つきが少し変わったのが分かった。
「少しだけ、お喋りしない？」
いつの間にか泣くのを止めてこくりと頷いた彼と２人きりで、といっても、さっきまでいた場所の斜め前にあるベンチに移動しただけなんだけどね。
彼の名前は佐野夢人くん、小学５年生
発症は７歳で、俺よりずっと先輩だった。
夢「ダンスのお仕事って、なにするの？？」
さっきまでの泣き顔はどこへやら、キラキラした目でそう問いかける姿は純粋無垢。頬が緩んだ。
「そうだねぇ、いっぱいのお客さんの前で踊ったり、歌ったり、お芝居したりもするかなあ。」
夢「おにいちゃん、芸能人なの？？！！」
「ははっ、そういうことになるかな、」
すげー！なんて可愛らしい反応をしてくれるから、ちょっとむず痒い。
夢「でもさ、お兄ちゃんはお仕事休んだりしないでしょう？」
途端に落ち込んだ表情を見せた夢人くん。
そうだ、そのために声を掛けたんじゃないか。
「そんなことないよ。俺もね、すっごく大事なステージに、この病気のせいで出られなかったことがあるの。次があるよって言われてもさ、次じゃないんだよね。今回のステージが大切なのにって。だから今の夢人くんの気持ち、すっげー分かるよ。」
「でもね、それでも良いよって言ってくれる人はちゃんといる。
それに、今日夢人くんに会って、俺ひとりじゃないんだって思えたんだ。
だから、ありがとう。」
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ストロベリー - 3早く読みたいです 頑張れ〜 (2023年4月2日 21時) (
レス) id: 78d64c6e31 (このIDを非表示/違反報告)
円周率 - いつも楽しく読まさせていただいています。3のほうも読みたいと思っているのですがパスワードを教えてもらうことは可能でしょうか？ (2023年3月8日 6時) (レス) id: 6ee190949a (このIDを非表示/違反報告)
みどり - 続き気になるので、楽しみに待ってます (2022年11月26日 1時) (レス) @page45 id: 1e919caffa (このIDを非表示/違反報告)
くろ(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます。ちゃんと他のメンバーに支えられながらライブできるといいですね、、、 (2022年7月25日 1時) (レス) @page38 id: 436e54c814 (このIDを非表示/違反報告)
あお - このお話大好きです！更新待ってます、頑張ってください！ (2021年10月13日 15時) (レス) id: b9c7362213 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しぃ | 作成日時：2021年5月23日 22時
