episode.52 ページ2
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ラウールside
映画の撮影が終わったかと思ったら、宣伝の取材、ひとりでのバラエティ出演、個人でのお仕事が増えてきて、目が回るくらい忙しい。
お仕事がたくさんあるのはすごくありがたいんだけど、最近みんなと全然話せてないな。
今日も朝から学校行って、夕方からは雑誌の撮影だっけ。
みんなはYouTubeの撮影で、内容聞いたけど僕も参加したかった！！
学校も楽しいんだけど、やっぱりメンバーと一緒の方が楽しいなぁ。
周りが騒がしい休み時間も、日頃の疲れからあんまり動きたくなくて、机に突っ伏してスケジュールを確認したりスマホをポチポチといじっていた。
そうだ、今朝のキテルネ観たよって阿部ちゃんにLINEしよ。
もはや習慣化したこの連絡。
いつもすぐに返信をくれる。
リアルタイムで観てくれるのラウだけだよって、嬉しそうに返してくれるのが僕も嬉しい。
でも、授業に集中しなさいって言われちゃうから、ちゃんと休み時間だよってアピールしておかなくちゃ。
次の休み時間、何て返信来てるかなって思いながら、スマホを鞄の奥にしまった。
足に触れる鞄の中で、何回かスマホが震えるのを感じた。
授業が終わってスマホに手を伸ばすと、やっぱり送り主は阿部ちゃん。
でも、
「入院、、？」
個別メッセージの返信じゃなくて、グループチャットに送られた阿部ちゃんからのメッセージ。
カタカタと手を震わせて苦しそうにしていたあの日の姿がフラッシュバックした。
あの時一緒にいたのに、、あれからずっと我慢してたの？
その後の授業も撮影も、心ここに在らず。
上手く笑えなくて、撮影もだいぶ押してしまった。
次の日、めめの一言で集まった話し合いの場でも、僕は何も言えなかった。
ごめんね、泣きたいのは阿部ちゃんだよね、そう思えば思うほどに、ごめんって気持ちが溢れて涙が止まらなくて、上手く喋れなかった。
帰り道、昨日から返信のない阿部ちゃんにもう一度メッセージを送った。
『MV撮ってる時からしんどかったんだよね。一緒にいたのに気付かなくて、本当にごめんなさい。』
悔しくて、情けなくて、家に帰っても涙が止まらなかった。
そして同時に、これまで思い出したことなんて一度もなかったあることがふと思い出された。
古い記憶と新しい記憶が嫌な意味で重なり合う感覚に身震いがした。
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ストロベリー - 3早く読みたいです 頑張れ〜 (2023年4月2日 21時) (
レス) id: 78d64c6e31 (このIDを非表示/違反報告)
円周率 - いつも楽しく読まさせていただいています。3のほうも読みたいと思っているのですがパスワードを教えてもらうことは可能でしょうか？ (2023年3月8日 6時) (レス) id: 6ee190949a (このIDを非表示/違反報告)
みどり - 続き気になるので、楽しみに待ってます (2022年11月26日 1時) (レス) @page45 id: 1e919caffa (このIDを非表示/違反報告)
くろ(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます。ちゃんと他のメンバーに支えられながらライブできるといいですね、、、 (2022年7月25日 1時) (レス) @page38 id: 436e54c814 (このIDを非表示/違反報告)
あお - このお話大好きです！更新待ってます、頑張ってください！ (2021年10月13日 15時) (レス) id: b9c7362213 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しぃ | 作成日時：2021年5月23日 22時
