episode.93 ページ43
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阿部side
病院に着いて、予約外なのに少しも待たされず処置室のベッドに通される。
外にはあんなにたくさん待っている人がいるっていうのに、今の俺はそれだけ緊急度も優先順位も高いと判断されたってことだ。
初めてここに来た時と同じベッドに寝かされて、あの日はまだそんなに緊急事態だなんて思いもしなかったよなぁって、なんだかなんとも言えない気持ちになった。
熱を測られ、血圧計を腕に巻かれ、脱水で血管が見つからず採血に苦戦している看護師さんをボーッと眺めてる。
その視線に気がついたのか、「何回もごめんね、痛いよね…」と申し訳なさそうに言ってくるから、もう針なんて慣れっこだし大して痛みもないし、全然大丈夫ですよと答えた。
看「亮平くん、大丈夫じゃない時は、大丈夫って言わなくて良いんだよ？」
「、えっ…？」
予想外の言葉、それでも『大丈夫』以外の言葉がどうしても見つからなくて、言葉を濁して苦笑いを浮かべることしかできなかった。
一本目の点滴が終わる頃になっても体の怠さは取れなくて、途中で入れてもらった吐き気止めもあんまり効いてる感じがしない。
お医者さんと看護師さんに囲まれ吐き気は落ち着いたかと問われ、喉元まで出かけた大丈夫ですを飲み込んで、素直にまだ気持ち悪いと答えると
医「阿部くん、１日２日だけでも良いから入院して様子見ようか。」
言われてしまえば納得だけど、想定外だった入院勧告にはつい黙り込んでしまった。
医「このままお家には帰せないよ。」
怠くて重たい頭で出来得る限り考えてみた。
この状況で、入院勧められたけど断って帰ってきましたなんて言ったら、多分みんなに怒られるよな。
ここからひとりで家に帰れる気もしないし、渋々入院を受け入れることにした。
グループメッセージに連絡を入れると一瞬にして全員の既読が付き、すぐにめめと佐久間と照から着信が入った。
いやぁ、ちょっと今は出れないなぁ、って思ってたら、
【深「阿部ちゃんは聖徳太子じゃないんだから一人ずつにしろ。ってか病院で電話出られないでしょうが、ばかちん！」】
ふっかにしては(?)冷静で、明るいいつも通りのメッセージに少し笑えた。
さすがにニ本の点滴を終えたらいくらか楽になったかなって思っていたけど、病室までの少しの移動も結構キツくて、やっぱり入院して正解だったかもなんて思いながら、気付いたらそのまま眠ってしまっていた。
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ストロベリー - 3早く読みたいです 頑張れ〜 (2023年4月2日 21時) (
レス) id: 78d64c6e31 (このIDを非表示/違反報告)
円周率 - いつも楽しく読まさせていただいています。3のほうも読みたいと思っているのですがパスワードを教えてもらうことは可能でしょうか？ (2023年3月8日 6時) (レス) id: 6ee190949a (このIDを非表示/違反報告)
みどり - 続き気になるので、楽しみに待ってます (2022年11月26日 1時) (レス) @page45 id: 1e919caffa (このIDを非表示/違反報告)
くろ(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます。ちゃんと他のメンバーに支えられながらライブできるといいですね、、、 (2022年7月25日 1時) (レス) @page38 id: 436e54c814 (このIDを非表示/違反報告)
あお - このお話大好きです！更新待ってます、頑張ってください！ (2021年10月13日 15時) (レス) id: b9c7362213 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しぃ | 作成日時：2021年5月23日 22時
