episode.92 ページ42
*
All side
体調の悪そうな阿部ちゃんを追いかけてめめとラウが出て行ったかと思えば、慌てた様子で阿部ちゃんを病院に連れて行くと言いに来たのはいつもお世話になっている番組のプロデューサーさんで。
この場に残された俺たちはもう何が何だかさっぱり分からなくて、ただなにも出来ず待っていることしかできなかった。
段々とみんなの表情が暗くなってきて、会議室の空気もどことなくどんよりしてきた頃、めめとラウが帰ってきた。
ガタッと音を立てて1番に立ち上がったのはリーダーで、すぐにめめとラウの元に駆け寄って行った。
岩「阿部は？」
目「俺らより良くわかってる人にお任せしたので大丈夫だと思います。急に抜けてすみません。」
焦ったような返事が返ってくるのかと思ったら、2人はやけに落ち着いた様子で、待っていた他のメンバーが拍子抜けしてしまった程だった。
深「いやいや、あれで大丈夫って…ねぇ、？今日は一旦お開きにしてさ、」
多分みんな同じように思ってたと思う。
まず普通に落ち着かないし、ひとりメンバーがいない中でわざわざ今日やらなくても、って。
ラ「次って阿部ちゃんからだったよね？続きやろうよ。」
そう言ってラウールがみんなの前に一部ずつ置いていったのは、阿部ちゃんが作った企画書。
パラパラとめくっただけでも中身は相当作り込まれていて、かなりの時間をかけられているのが分かった。
ラ「最近すごい忙しそうだったのに、こんなのいつ作ってたんだろうね。多分、結構無理してたんじゃないかなって。だから、今ちゃんと俺らが阿部ちゃんの気持ち受け止めなきゃ。」
せっかく書いてきてくれたんだから今日見てあげよう、
ラウールが言ったのはきっとそんな意味なんかじゃなくて、阿部ちゃんがライブの演出という形で訴えてきたこと、その意味をしっかり受け止めようよってことなんだと思う。
そこからは、演出家さんもスタッフさんも、これ良いんじゃない？なんて結構良い感じに話が進んでて俺たちもなんか嬉しかった。
でも、スノインザボックス…ってさ、ちょっとだけ、名前ダサくない？笑
少し張り詰めていた場が誰かのそんな言葉で和やかになった時、みんなの携帯に阿部ちゃんからのメッセージを知らせる通知が響いた。
阿『ごめんなさい。１日２日くらいだけなんだけど入院になりました。』
和やかになったはずの会議室に、一瞬にしてまた緊張が走った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1719人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ストロベリー - 3早く読みたいです 頑張れ〜 (2023年4月2日 21時) (
レス) id: 78d64c6e31 (このIDを非表示/違反報告)
円周率 - いつも楽しく読まさせていただいています。3のほうも読みたいと思っているのですがパスワードを教えてもらうことは可能でしょうか？ (2023年3月8日 6時) (レス) id: 6ee190949a (このIDを非表示/違反報告)
みどり - 続き気になるので、楽しみに待ってます (2022年11月26日 1時) (レス) @page45 id: 1e919caffa (このIDを非表示/違反報告)
くろ(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます。ちゃんと他のメンバーに支えられながらライブできるといいですね、、、 (2022年7月25日 1時) (レス) @page38 id: 436e54c814 (このIDを非表示/違反報告)
あお - このお話大好きです！更新待ってます、頑張ってください！ (2021年10月13日 15時) (レス) id: b9c7362213 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しぃ | 作成日時：2021年5月23日 22時
