episode.77 ページ27
*
目黒side
『、、収録の前にちょっと、いいかな、？』
どことなく訳ありっぽい雰囲気を纏った阿部ちゃんの姿は、彼が病気になったばかりの頃に何度か見たそれと重なって、胸がドクンと大きく跳ねた。
深「あら阿部ちゃん、どした？」
状況を察してか緩く優しく相槌を打ったふっかさんの言葉を合図に、みんなが一箇所に集まって座った。
阿「あのさ、、みんなも気付いてると思うんだけど、最近それスノでさ、外ロケとかグルメ企画とか、全然やらないでしょ、、？」
ラ「あ、この間康二くんとも話してたよね！スタッフさんに聞いても大人の事情だってなんか教えてくれなかったけどね〜。」
みんなが確かに、なんて言ってる中、俺は阿部ちゃんの言葉に少し違和感を感じた。
スタジオ収録がメインになっているのはもちろん俺も気付いていたけど、それって別に阿部ちゃんひとりの問題じゃなくない？
じっと考え込んでいると、対角上にいる岩本くんの、阿部ちゃんと同じくらい何かを抱え込んでいるような顔が目に入る。
「岩本くん、、？」
、、なにっ？！と驚いて目を合わせた岩本くんは、絶対に何かを知っている、そんな顔だった。
「理由、知ってるの？」
濁すように、言葉を選びながら、普段のしっかりとしたリーダーの姿とは似つかない様子で岩本くんは続けた。
岩「俺も吉野さんから聞いただけだけど、テレビ局の偉い人が、阿部の体調、心配してるって、、」
そこまで言いかけて、遮ったのは阿部ちゃんだった。
阿「照、気遣わせてごめん、大丈夫だよ。そんなつもりなかったんだけど、吉野さんの話、たまたま聞こえちゃって。」
岩「阿部、ごめん、俺っ、」
いつもの優しい笑みを浮かべて首を横に振った阿部ちゃん。
阿「俺さ、食べる時は絶対注射必要でしょ？よく動いたりすると震えたりフラフラしたりしちゃうこともあるし。何かあったら責任取れない、って。」
あくまで冷静に、淡々と話すその内容に、俺はすぐには何も言えなかった。
そこでわかった。きっと岩本くんも、 ” 言えなかった “ のだろう。
もちろん病気を理由に外ロケやグルメ企画をやめにするなんて阿部ちゃん自身最も望んでいないことだろうし、俺たちだって同じだ。
でも、やっぱり心配だし、危険に晒したくない気持ちは彼を大切に思うぶんだけ大きくて。
そんなのおかしい、って、言い切る自信も無かったんだ。
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ストロベリー - 3早く読みたいです 頑張れ〜 (2023年4月2日 21時) (
レス) id: 78d64c6e31 (このIDを非表示/違反報告)
円周率 - いつも楽しく読まさせていただいています。3のほうも読みたいと思っているのですがパスワードを教えてもらうことは可能でしょうか？ (2023年3月8日 6時) (レス) id: 6ee190949a (このIDを非表示/違反報告)
みどり - 続き気になるので、楽しみに待ってます (2022年11月26日 1時) (レス) @page45 id: 1e919caffa (このIDを非表示/違反報告)
くろ(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます。ちゃんと他のメンバーに支えられながらライブできるといいですね、、、 (2022年7月25日 1時) (レス) @page38 id: 436e54c814 (このIDを非表示/違反報告)
あお - このお話大好きです！更新待ってます、頑張ってください！ (2021年10月13日 15時) (レス) id: b9c7362213 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しぃ | 作成日時：2021年5月23日 22時
