究極の選択 ページ49
「とりあえず、カトレアを置いてや」
「え？」
「俺の力じゃ一人しか連れて行けへんねん」
その言葉に肝が冷えた。彼の表情はどこまでも真剣で、冗談を言っているようには見えなかった。
「その足じゃこのロープは上れんし俺は一人なら背負っていけるけど、流石に二人は無理や」
「でもっ！」
「……ルシウスと違って、カトレアは自業自得だ」
そうは言うが、彼の瞳には悲しさと悔しさが漂っていた。
本当ならカトレアも一緒に助け出したいんだろう。
城の敷地はかなり広い。もしAを先に連れ出した場合、戻ってくるまでにマーリンの身体は炎に包まれてしまうだろう。
ゾムはカトレアを見殺しにすると決めたのだ。
「ゾムにとって、カトレアさんは大切な人なんでしょ？」
「……どうせ俺たちはろくな死に方はせえへんで」
「でも！」
「早よしろ！炎がもうきてんねん！」
言葉を遮るようにして、ゾムが声を上げる。腕も引き寄せられた。
Aはとっさにゾムの腕を振り払う。
このままじゃ、絶対にダメよ！！
「ルシウス！」
責めるような声にAは下唇を噛みしめる。
命は惜しい。
だからこそ、彼女はAの運命を知った瞬間から努力を始めた。全く休まなかったというわけではないけれど、できうる限りのことはやってきたつもりである。
すべてはこれから先の人生を、のほほんと積み重ねるためだ。
けれど、Aは誰かの命を犠牲にしてまで助かるつもりはなかった。
もしこれがセシリア自身の運命だとするのならば、カトレアを見殺しにすることは自分の運命を彼女に塗りつけることだった。
それだけは決してしてはいけない事である。
それにカトレアを慕う気持ちはなんとなくわかるような気がした。
彼にとって彼女は唯一の家族なのだ。そんな彼女を自分の判断で見殺しにしたとなれば、ゾムはこれから先、一生その傷を背負い生きていくことになるだろう。
Aは顔に笑みを貼り付ける。
「ゾムやっぱり先にカトレアさんをお願い」
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シアン - (∂ω＜)-★さん» 惚れたなんていってくれて嬉しいですっ（はぁと）応援ありがとうございます！更新がんばりますね。 (2021年2月20日 14時) (
レス) id: 1247c6a30c (このIDを非表示/違反報告)
(∂ω＜)-★ - え。惚れた。良ければ俺とお話しませんか?ﾊｧﾄ(痛い)これからも頑張ってくださいっす！応援してやす！^ω^ (2021年2月19日 23時) (レス) id: 783e49e84a (このIDを非表示/違反報告)
シアン - 夕凪さん» コメントありがとうございます！ついにいってしまいましたね笑笑 今後の展開に是非ご期待下さい！ (2021年2月14日 10時) (レス) id: 1247c6a30c (このIDを非表示/違反報告)
夕凪 - ((＾ω＾≡＾ω＜ｷﾞｬｱｱｱｱｱｱｱついに、ついに！syo君が好きって言っちゃったよ!? (2021年2月14日 7時) (レス) id: a0f47df358 (このIDを非表示/違反報告)
シアン - 紅鴇@端末垢さん» いえいえ、いつもお褒めの言葉とともにコメントしてくださっていてとても嬉しいです。よかったらこれからもみてくださると嬉しいです！いつも本当にありがとうございます！ (2021年2月13日 20時) (レス) id: 1247c6a30c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シアン | 作成日時：2021年2月4日 23時
