一刻を争う状況 ページ42
当てというのはゾムさんのことだった。
ショッピはアイリやAの話から、これがゾムのイベントだということはなんとなくわかっていたのだ。
つまり、少々手荒なマネを使ってでも居場所を聞き出せばいい。彼はそう思っていた。
話は終わったとばかりにショッピは前を向く。
「あの、ショッピく……」
「おい！ショッピ！！」
エーミールの声に被さるように、彼の名を呼んだのはコネシマだった。
コネシマは険しい顔で前に立ちはだかる。
「……先輩」
「エミさんの言うとおりやで。このままだとお前の両親にもよくない報告が行くことになる。
それに上に立つ者が一つの下級貴族を特別視しているとなると、後でいろいろとややこしくなる。とりあえず、落ち着かなあかん」
「これが落ち着いてられる事態ですか！？あんた知らないでしょうけど、ルシウスは俺のあ――」
ルシウスが義姉のAだと明かせば、周りは動かざるを得ない。Aは公爵令嬢で王太子の婚約者だ。そこら辺の貴族とは格が違う。
正体を明かすのが一番確実だし、安全な方法だとショッピもわかっていた。けれど、それは彼女が今までここで積み上げてきた物を帳消しにするということと同義だった。
戻ってきた彼女の事を思うと、うまく声が出なくなっていたたまれなくなった。
一瞬の躊躇を縫うような形でトントンは声を上げた。
「四月にな、王宮にも新しく兵が入ってきたらしいねん」
「こんな時に何を……」
一刻を争う状況なのに何故か関係のない話をし始めたトントンに少し苛立ちを感じてしまうショッピ。
「まぁ、聞けや。それで、彼らにそろそろ抜き打ちの演習をやらせた方がいいという話が持ち上がってるんや。二年目や三年目、ベテランの兵も巻き込んだ大きな演習やで」
しかし、話の意図を理解したのか、ショッピは口をつぐんだ。
「で、その日程を今日、交渉してこの時間からにしようかと思うんだが、どうだろうか？」
「そうしましょう」
ショッピはあくまで冷静さを演じて答えた。それに軍がが動いてくれるのはとてもありがたく思った。
「まあ、ぐるさんに交渉すればおもろいからええって一発なんやろうな」
何故か誇らしげにいうコネシマ。
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シアン - (∂ω＜)-★さん» 惚れたなんていってくれて嬉しいですっ（はぁと）応援ありがとうございます！更新がんばりますね。 (2021年2月20日 14時) (
レス) id: 1247c6a30c (このIDを非表示/違反報告)
(∂ω＜)-★ - え。惚れた。良ければ俺とお話しませんか?ﾊｧﾄ(痛い)これからも頑張ってくださいっす！応援してやす！^ω^ (2021年2月19日 23時) (レス) id: 783e49e84a (このIDを非表示/違反報告)
シアン - 夕凪さん» コメントありがとうございます！ついにいってしまいましたね笑笑 今後の展開に是非ご期待下さい！ (2021年2月14日 10時) (レス) id: 1247c6a30c (このIDを非表示/違反報告)
夕凪 - ((＾ω＾≡＾ω＜ｷﾞｬｱｱｱｱｱｱｱついに、ついに！syo君が好きって言っちゃったよ!? (2021年2月14日 7時) (レス) id: a0f47df358 (このIDを非表示/違反報告)
シアン - 紅鴇@端末垢さん» いえいえ、いつもお褒めの言葉とともにコメントしてくださっていてとても嬉しいです。よかったらこれからもみてくださると嬉しいです！いつも本当にありがとうございます！ (2021年2月13日 20時) (レス) id: 1247c6a30c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シアン | 作成日時：2021年2月4日 23時
