火花を散らせる二人 ページ28
「どうしてここが分かったの?」
「久しぶりに昼食食べようかなって思って、クラスに誘いに行ったんやけど殿下に呼び出されたって聞いて……」
公爵子息のショッピはもちろんこのサロンに立ち入ることを許可されている。なので話を聞いた後、すかさずフォローに来てくれたのだろう。
Aは涙目でショッピの袖を引いた。
「ありがとう……」
「はいはい。いきなりこんなサロンに呼び出されて怖かったな」
ショッピはいつもとは違う意味での砕けた話し方をする。義姉と話すときはもっと乱暴な砕け方だが、友人たちの前ではきっとこういう品行方正な話し方をするのだろう。
「でも何でお前ががAのハンカチを持ってるん?」
たけど
それでもコネシマの追求はやまない。
「そ、それは……」
「姉が貸したんですよ。ルシウスと姉は昔からとても仲が良く、遊んでたんす」
「Aを探しに社交界にも出てみたんやけどど一度も会えた事ないで」
「ご存じの通り、姉は身体が強くないんでこの学校にも在籍していますが、殆ど姿は見せられないような状況なんです。それに、会う時は大体家で会っていますよ」
あまりにも軽やかに義弟の口から嘘が飛び出るので、Aは目を剥いた。
まるでこのようなことがあったらと言うために準備したようなほど完璧な嘘である。
自分ではこうも上手くはいかないだろう。
「俺も何回も会いにいったのに会えた試しがないんやけどなんで会えるんだ?」
「それは姉がコネシマさんのことあまり信用してないからっすよ」
口の端だけを少しだけ上げつつ煽るようにしていうショッピ。
気がつけば、二人は睨み合うような形になっており、話の中心であるAは完全に蚊帳の外になっていた。
「ふーん、言ってくれるやんけショッピくん。俺がAに嫌われてるなんてな」
「嫌っているとまでは言ってないっすけどね。
まぁ……そうとしか考えられなくないっすよね?」
見えない火花が二人の間に散り、Aは頬を引きつらせた。
「って事でこの件は終わりでいいっすよね?」
未だ不服そうなコネシマを横目に椅子から立ち上がるショッピ。
「ちょ、まってよ。ショッピ!」
そして半強制的にAをサロンから連れ出すのであった。
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シアン - (∂ω<)-★さん» 惚れたなんていってくれて嬉しいですっ(はぁと)応援ありがとうございます!更新がんばりますね。 (2021年2月20日 14時) (レス) id: 1247c6a30c (このIDを非表示/違反報告)
(∂ω<)-★ - え。惚れた。良ければ俺とお話しませんか?ハァト(痛い)これからも頑張ってくださいっす!応援してやす!^ω^ (2021年2月19日 23時) (レス) id: 783e49e84a (このIDを非表示/違反報告)
シアン - 夕凪さん» コメントありがとうございます!ついにいってしまいましたね笑笑 今後の展開に是非ご期待下さい! (2021年2月14日 10時) (レス) id: 1247c6a30c (このIDを非表示/違反報告)
夕凪 - ((^ω^≡^ω<ギャアアアアアアアついに、ついに!syo君が好きって言っちゃったよ!? (2021年2月14日 7時) (レス) id: a0f47df358 (このIDを非表示/違反報告)
シアン - 紅鴇@端末垢さん» いえいえ、いつもお褒めの言葉とともにコメントしてくださっていてとても嬉しいです。よかったらこれからもみてくださると嬉しいです!いつも本当にありがとうございます! (2021年2月13日 20時) (レス) id: 1247c6a30c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シアン | 作成日時:2021年2月4日 23時