何かがつながるように ページ22
道を塞がれて、つい怒鳴ってしまう。
周りに人がいないことだけが幸いだった。王太子付きの時期書記長と公爵家子息のトラブルなんて噂好きの貴族の格好の的だ。
「話を聞けって、ルシウスの話だ」
その言葉にショッピはピタリと動きを止めた。
「今保健室にいるんやけどな……」
「もしかして、怪我でもしたんですか!?」
被せるように声を張ってしまう。
やはり、『祟り』持ちに襲われたのだと心臓が早鐘をならした。
「そうなんやけど……」
返事を聞くやいなや、ショッピは進む方向を変えた。足は自然に駆け足になっている。
保健室の扉が見えて、更に加速した。
そして、中に誰がいるのかも確認せず、扉を開けると同時に声を上げた。
「姉さん!」
そこにはAが一人だけでいた。背を向けて丸椅子に腰掛けている。
頬には白いガーゼが貼られていた。
「あ、ショッピ〜」
Aも振り返り、嬉しそうに顔をほころばせた。
その元気な姿を見て、壁により掛かる。片手で隠してはいるが、顔には安堵の表情が浮かんでいた。
「ほんま良かったわ……」
「どうしたの?」
「いや。今日姉さんが授業に出てないって聞いて。もしかして、『祟り持ち』に何かされたんじゃないかって心配になって……」
めったにない本気で心配する義弟の表情に、Aは申し訳なさそうな顔をした。
「襲われたとかやないんやろうな」
「これは私が一人でドジっちゃっただけ」
「ドジったって、何を」
「山の斜面を転がり落ちちゃったの。
でもね、オーロラの魔力を発動させてどうにか大丈夫だったんだけどね!」
「はぁ?」
よく見れば制服の至る所に土がついているし、カツラの上にも葉が載っていた。
「でもさ、そのおかげで見つけたよ! これ」
Aは嬉しそうに水色の花をショッピに向けた。
その瞬間、ショッピの中で何かがつながった。
「それをとりにいってたんか……」
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シアン - (∂ω<)-★さん» 惚れたなんていってくれて嬉しいですっ(はぁと)応援ありがとうございます!更新がんばりますね。 (2021年2月20日 14時) (レス) id: 1247c6a30c (このIDを非表示/違反報告)
(∂ω<)-★ - え。惚れた。良ければ俺とお話しませんか?ハァト(痛い)これからも頑張ってくださいっす!応援してやす!^ω^ (2021年2月19日 23時) (レス) id: 783e49e84a (このIDを非表示/違反報告)
シアン - 夕凪さん» コメントありがとうございます!ついにいってしまいましたね笑笑 今後の展開に是非ご期待下さい! (2021年2月14日 10時) (レス) id: 1247c6a30c (このIDを非表示/違反報告)
夕凪 - ((^ω^≡^ω<ギャアアアアアアアついに、ついに!syo君が好きって言っちゃったよ!? (2021年2月14日 7時) (レス) id: a0f47df358 (このIDを非表示/違反報告)
シアン - 紅鴇@端末垢さん» いえいえ、いつもお褒めの言葉とともにコメントしてくださっていてとても嬉しいです。よかったらこれからもみてくださると嬉しいです!いつも本当にありがとうございます! (2021年2月13日 20時) (レス) id: 1247c6a30c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シアン | 作成日時:2021年2月4日 23時