苔の王子様 ページ17
翌日、Aは苔になっていた。
寮から学院に続く道に置いてあるベンチで、彼女は呆然とうつむき、固まっている。
通り過ぎる生徒は、皆Aの異変に気づきながらも、彼女の話しかけづらい雰囲気に、見て見ぬふりをするだけだった。
彼女が苔になっていた理由。それはやはりショッピにあった。
Aは、今日いつもより早く登校の準備を終わらせていた。毎朝、迎えに来てくれるショッピにしっかり謝るためである。
彼はいつも早めにAを迎えに来てくれていた。いつもは彼女の準備が整わず結構な時間待たせてしまうのだが、今日はその時間を謝罪に充てようとAは意気込んでいたのだ。
なのにいつもの時間になっても、それから何十分たとうとショッピは現れない。業を煮やしたAがショッピの部屋に赴くと、彼はもう登校したあとだった。
つまり、Aはショッピにおいて行かれたという形になる。
今までこんなことなかったのに……
何年間も姉弟をしているのだ。喧嘩ぐらいはしたことがある。
しかし、いつも翌日には仲直りをしていた。日をまたぐ喧嘩など、初めてのことである。
「学園の王子様がそんなところでなにしてるんや……?」
落ちてきた声に顔を上げれば、攻略対象でもあるトントンがいた。彼は呆れ顔のままAを見下ろしている。
今まで我慢していた感情がトントンの優しい声によってすうっと解れていく。
ショッピと喧嘩してしまった今では関わらないようにすることなんてAの頭にはなかった。
Aはトントンの顔を見ながら顔をゆがませた
「ショッピに……」
「ん?」
「ショッピに嫌われちゃったぁ」
ポロポロと涙をこぼすA。
トントンはおろおろと視線をさまよわせ、とりあえず、といったかんじで隣に腰掛ける。
木が撓む感覚にAは鼻をすすりながら隣を見た。
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シアン - (∂ω<)-★さん» 惚れたなんていってくれて嬉しいですっ(はぁと)応援ありがとうございます!更新がんばりますね。 (2021年2月20日 14時) (レス) id: 1247c6a30c (このIDを非表示/違反報告)
(∂ω<)-★ - え。惚れた。良ければ俺とお話しませんか?ハァト(痛い)これからも頑張ってくださいっす!応援してやす!^ω^ (2021年2月19日 23時) (レス) id: 783e49e84a (このIDを非表示/違反報告)
シアン - 夕凪さん» コメントありがとうございます!ついにいってしまいましたね笑笑 今後の展開に是非ご期待下さい! (2021年2月14日 10時) (レス) id: 1247c6a30c (このIDを非表示/違反報告)
夕凪 - ((^ω^≡^ω<ギャアアアアアアアついに、ついに!syo君が好きって言っちゃったよ!? (2021年2月14日 7時) (レス) id: a0f47df358 (このIDを非表示/違反報告)
シアン - 紅鴇@端末垢さん» いえいえ、いつもお褒めの言葉とともにコメントしてくださっていてとても嬉しいです。よかったらこれからもみてくださると嬉しいです!いつも本当にありがとうございます! (2021年2月13日 20時) (レス) id: 1247c6a30c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シアン | 作成日時:2021年2月4日 23時