鬱陶しい女 ページ14
自分と同じように跡を取れない身でありながら、彼女は両親に溺愛されていた。
愛されて、愛されて、愛情で溺死しそうなぐらいに愛されていた。
「同じ境遇なのになんでこんなに違うんや？」
ルシェルカ家に来てから、彼はそんなことばかり考えていた。
そんな生活が半年ほど続いたある日、ショッピは体調を崩した。熱も高く、しばらく自力で起き上がれないほど体力は消耗していた。
元々、ショッピは身体が強い方じゃない。イロニー家に居たときもしょっちゅう身体を壊していた。
両親はそんなところも気に入らなかったようで、彼が体調を崩すたび、陰で『面倒』だの『情けない』だの使用人に漏らしていた。
心配してもらった記憶は一切なかった。
「ショッピ〜大丈夫？」
しかし、体調を崩してから、Aは何度もお見舞いに来ていた。時には額のタオルを替え、看病を買って出たこともあった。
正直、ショッピは看病に来るAがうざったくてたまらなかった。手先が不器用なのか看病もたどたどしかったし、ままごとの延長を自分でやっているとしか思えなかったからだ。
人形と同じように扱われている。
そう思ったら、腹だって立った。
しかし、ここで彼女を部屋から追い出そうものなら、自分の居場所はルシェルカ家にもなくなってしまうかもしれない。
だからなにも言えず、ショッピは彼女の人形役を甘んじて受け入れるしかなかったのだ。
彼女は毎日、毎日、飽きることなくショッピの元へ通う。そして、自分の気が済むまで子守歌を歌ったり、本の読みきかせをしたりするのだ。
そして最後にはいつも「何か欲しいものある？」と聞いてくる。
ショッピはそれにいつも首を横に振っていた。
その日もそうだった。
彼女は彼の汗を拭き、喉が嗄れるまで本の読み聞かせをしてくれたあと、掠れる声で「何か欲しいものある？」と聞いてきた。
普段ならそこで首を振るのだが、その日のショッピは少し違った。
この偽善的な義姉に、ちょっと意地悪をしたくなったのだ。
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シアン - (∂ω＜)-★さん» 惚れたなんていってくれて嬉しいですっ（はぁと）応援ありがとうございます！更新がんばりますね。 (2021年2月20日 14時) (
レス) id: 1247c6a30c (このIDを非表示/違反報告)
(∂ω＜)-★ - え。惚れた。良ければ俺とお話しませんか?ﾊｧﾄ(痛い)これからも頑張ってくださいっす！応援してやす！^ω^ (2021年2月19日 23時) (レス) id: 783e49e84a (このIDを非表示/違反報告)
シアン - 夕凪さん» コメントありがとうございます！ついにいってしまいましたね笑笑 今後の展開に是非ご期待下さい！ (2021年2月14日 10時) (レス) id: 1247c6a30c (このIDを非表示/違反報告)
夕凪 - ((＾ω＾≡＾ω＜ｷﾞｬｱｱｱｱｱｱｱついに、ついに！syo君が好きって言っちゃったよ!? (2021年2月14日 7時) (レス) id: a0f47df358 (このIDを非表示/違反報告)
シアン - 紅鴇@端末垢さん» いえいえ、いつもお褒めの言葉とともにコメントしてくださっていてとても嬉しいです。よかったらこれからもみてくださると嬉しいです！いつも本当にありがとうございます！ (2021年2月13日 20時) (レス) id: 1247c6a30c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シアン | 作成日時：2021年2月4日 23時
