52夜 ページ3
「……そうだけど」
「…0時の魔女?」
「……は」
背筋が凍りついた。
どうしてそれを知っているんだ。同じ暗殺者というわけでもないのに。
上流階級の吸血鬼だから?無縁そうなのに?
……まさか。
慌てて魔導書に向けていた目を葛葉に向ける。
「俺は依頼なんてしてねぇよ、ただよく耳にするだけ」
「皆が口を揃えて0時の魔女って言うんだよ、嫌でも名前は覚える」
……なんだ。依頼してきたひとってわけでは無いんだ。
「そうなんだ……」
「……お前は俺のこと知らねぇの?」
「うん、しらない」
魔界にいる吸血鬼でも、葛葉は知らない。
聞いたことない。
「ふぅん……」
「あー…でも、似たような人は見たことあるよ!」
「白い髪に赤い目の吸血鬼様!」
「…………ラグーザ家の?」
「?うん」
「アレクサンドルって言うんだけどね、小さい時仲良かったの!魔法使いになってからは会えてないけど、元気にしてるかなあ」
「……元気だろ」
「そう?ならよかった」
そう。アレクサンドル・ラグーザ_____アレクとは、いわゆる幼馴染というやつだった。
魔法使いになってからは、アレクのお父様たちから止められてたのか……はたまた、自分からソレを選んだのか。
アレクが私に会いに来ることは無かったし、会いに行っても顔を見ることすら出来なかった。
「……会いてぇの?」
「うーん、……向こうが会いたくないならいいかな」
「どうせ私は魔法使いだから」
「ふーん……」
「……まぁ、近いうちに会えるんじゃねぇの」
「そうだといいなぁ」
「……葛葉くんの魔力はアレクに似てるよね」
「…そうか?」
「うん、そんなに弱くないけど……すごく似てるよ」
「へぇ……」
「……あ、名前言ってなかったね」
名前も知らないのによろしくなんてできないだろう。
「言ってるよ」
「あれ、そうだっけ」
「来た時言ってただろ」
「あはは、たしかに……」
「……それ教えてよ」
「魔導書……葛葉くんには難しいんじゃないの?」
「だから教えてって」
「あはは、いいよ」
「まずはね_____」
.
「仲良さそうですね」
「……そうだね」
「……叶くん?」
「なんでもないよ〜」
「…………」
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猫/にゃんこ - aさん» 最高です…‼教えて下さりありがとうございました!これからも応援しています! (2023年4月9日 20時) (レス) id: 133e747e0b (このIDを非表示/違反報告)
a(プロフ) - 猫/にゃんこさん» 一気見ですか……!?うれしいですTT文字化けしているところは「貴方と一緒にいられたら」、「物語」です……!コメント本当にありがとうございますTT (2023年4月8日 16時) (レス) id: 0169186134 (このIDを非表示/違反報告)
猫/にゃんこ - 神作品ですね…一気読みさせていただきました‼ もしよろしければ、お友達に…((( 質問なんですけど、文字化けしているページがあるじゃないですか。そのページの文字化け前のがいくら調べてもわかんなくて…なんて書いてあるんですか!? (2023年4月8日 11時) (レス) @page28 id: 133e747e0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:a | 作成日時:2023年3月18日 0時