午前零時の魔法使い2【knmc】

61夜 ページ12

「とやとや！みてー！ひろーい！」


「落ち着け！！」



初めての遊園地、私が落ち着いていられるわけが無く。

魔界にある物と同じ物もあれば、魔界にはない乗り物もある。
とにかく広い。人がいっぱいいる。

楽しそうな声も沢山聞こえてくる。
とても居心地がいい。



「刀也！ジェットコースター乗ろー！」


「はいはい、歩いてください。転びますよ」


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「わー！たかーい！」

「きゃーー！！！」


「んふふ」


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「ね、見て見て！なにあれ！お馬さんいる！」



見たことの無い乗り物だ。

ペガサス的なソレだろうか。飛ぶのかな。
人間界の動物が飛ぶとは思えないが。まずあれ生きてないでしょ。



「メリーゴーランド？」

「あれに乗ってゆらゆら揺れるだけです」


「飛ばないの？」


「飛ぶわけねぇだろ」



飛ばなかった。

当たり前っちゃ当たり前か。



「んー……乗りたい！」


「僕は待ってますね、乗ってきてください」


「刀也も乗ろうよ」


「嫌です」


.

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.


「お化け屋敷！お化け屋敷行こう！」


「お化け屋敷？」

「よく知ってますね、知らなさそうなのに。魔界にもあるんですか？」


「あるよ！」

「魔界ではね、本物のお化けが出てくるらしいの！」


「え、なにそれ……」


「刀也のところは？」


「出てくるわけねぇだろうが！」



怖くなさそう。
人間がお化け役をするってことでしょ？スリルに欠ける。

普通にお化けは好きなので入りたいところ。



「……分かりましたよ、行きましょうか」


「怖い？」


「まさか、楽しみですよ」

.

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.


「楽しかったー！」


「まさかAがお化けを捕まえようとするとは思いませんでしたよ」


「あはは……気になっちゃって…」


「とんだ迷惑客ですね」


「うっ……」


「……A？」


「あ、アレク！」



アレクと……叶もいる。

どうしたんだろう。来てたのか。偶然会うなんて…ラッキー？
やはり視線が怖い。近づくのやめようかな。



「Aちゃんにもちさんも、偶然だね」


「そ、そうだね〜…」


「……なぁ、一緒にまわらねぇ？」


「えっ」


「え？」


「いいんじゃないですか？人数多い方が楽しいですよ」



勘弁してくれ。

別に一緒にまわること自体は構わないのだが、この目をどうにかしてからにして欲しい。
刀也はこの私を見つめる目を見た事がないのか。



「……じゃあ、決まりだね」



決まっちゃったよ。

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