50夜 ページ1
「もちさーん!あーけーてー!」
私は今、大変困っている。
なぜか?この声のせいだ。
さっきから高橋名人の如くうるさく鳴らしているインターホンと、外でずっとしている声。
人間はインターホンだけで済まさないのか。
いつもなら刀也が開けに行くところだが、今日は刀也が家にいない。
伏見もいない。
私一人しかこの家にいないのだ。
前まで全然人来なかったのにどうしてしまったんだ。
「もちさーん!」
私はもちさんじゃないぞ。
……仕方がない。出るしかないか。
「はーい……どちらさまで……?」
「えっ」
「……君、誰?」
「えー、っと…」
さっきからもちさんもちさんと言っていたのはこのミルクティー髪、あとは存在しているのすら分からなかった白髪。
初っ端から警戒心がマシマシだ。
ミルクティー髪は置いておいて、白髪は……
「……AA」
どうしたらいいのかよく分からないので、とりあえず自己紹介だけしておく。
「…あ、君が例の……」
「……お前…」
「……?葛葉?」
「いや、なんでも」
「……あ、自己紹介してなかったね」
「僕叶、こっちが葛葉ね。よろしくAちゃん」
よろしくしようとしている顔には見えないが、まぁいいだろう。
「よろしくね!」
「……ところで、もちさんどこにいるか知らない?」
「刀也ねぇ、今出かけちゃってて」
「そっかぁ…」
「もうすぐ帰ってくると思うけど…」
「そう?じゃあ家で待っててもいい?」
「え」
どうしよう。こいつら入れても大丈夫か。
家の主は刀也であって私じゃない。
それになんか…リンチされそう。
…それは大丈夫か。貧弱そうだし。
「だめ?どうしても?」
「うっ…い、いいよ」
負けた。
刀也、早く帰ってきて。
「……」
.
.
.
「へぇ〜、同棲してるんだ?」
「同棲というか居候というか」
さっきから仲良く話しているかと思うだろう。
全く仲良くなれない。
私が嫌いな人、というわけではないが。
絶対に私のことを嫌っている。
葛葉はさっきから一切喋らないし、どう扱えばいいのか分からない。
「もちさんに彼女ねぇ」
「驚いた?」
「そりゃまぁ。もちさんと彼女とか一生無縁だと思ってたし」
「それ刀也に謝りなよ」
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猫/にゃんこ - aさん» 最高です…‼教えて下さりありがとうございました!これからも応援しています! (2023年4月9日 20時) (レス) id: 133e747e0b (このIDを非表示/違反報告)
a(プロフ) - 猫/にゃんこさん» 一気見ですか……!?うれしいですTT文字化けしているところは「貴方と一緒にいられたら」、「物語」です……!コメント本当にありがとうございますTT (2023年4月8日 16時) (レス) id: 0169186134 (このIDを非表示/違反報告)
猫/にゃんこ - 神作品ですね…一気読みさせていただきました‼ もしよろしければ、お友達に…((( 質問なんですけど、文字化けしているページがあるじゃないですか。そのページの文字化け前のがいくら調べてもわかんなくて…なんて書いてあるんですか!? (2023年4月8日 11時) (レス) @page28 id: 133e747e0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:a | 作成日時:2023年3月18日 0時