106話 ページ12
私は考える前に走る
____矢張りもう既に敵は作戦を実行していたんだ
麦藁帽子を抱えながら一心不乱に走る
そう走らない内に例の三人組を見つけた
絶対見失わないように手を伸ばし足の筋肉に力を込める
「待って……!」
息がきれるなか肺から絞り出た声は小さかったが相手は聞き取れたようだ
三人の中の一人の赤毛の女性がこちらに振り向く
「あら、もう気づいちゃったの?まあいいわ、貴方が遊んで下さるのなら」
そう云い、私はもう一歩地面を踏んだ瞬間 奇妙な部屋の中にいた
「!」
ピンクで統一された一室だった
部屋のあちこちには大きなクッションにリボンの装飾
そして扉が二つあった 内の一つは鍵がかかっている
部屋の中央にいた赤毛の女性は口を開いた
「ようこそアンの部屋へ!あたしの名前はモンゴメリよ!貴方の事は少し耳にしているわ。異能の詳細はよく知らないけど、優秀な異能なんですってね!羨ましい限りだわ。周りにも恵まれてさぞ良い人生を送ってきたんでしょうね。でもだからって貴方の事を全否定しないわ。仲間の窮地に誰よりも早く気づいたんだもの。しかも一人で来て。素敵ね、あたしにもそんな人が____」
「…あの」
「あら、何かしら」
言葉が暴風の様に一方通行だったので手を軽く挙げた
「賢治君は何処?」
真っ直ぐに女性____モンゴメリさんを見ると
一瞬きょとんとしたがすぐ笑顔になり
「ああ、お仲間さんは彼方よ」
指を指した方向は鍵の付いている扉だった
慥かに扉の小窓からうっすらと人型のシルエットが見える
「鍵穴がある…鍵を頂戴、と云いたいところですけど貴方はさっき遊び、と云いましたね。遊んで私が勝ったら鍵を貰えるんですよね?」
「大正解!冴えてるわね貴方!そうよ、貴方は私“達”と鬼ごっこをして欲しいの」
そう云い終えると何処からか身長の倍以上ある巨大な人形が現れた
彼女と同様に三つ編みをし、目がボタンで肩に家が乗っかっている子供の頃 夢に見た様な人形
「この子はアン。そこにある鍵を取ったらゲエム開始よ。よろしくて?」
「うん」
鬼ごっこか…一体何年ぶりだろうか
タッチされたら鬼交代の制度はないのだろう
あの賢治君が捕まっている程の強敵。単体で乗り込むべきではなかったがもう後戻りは出来ない
麦藁帽子の紐を首にかけた
刹那、私は鍵を手に取った
____が、ある違和感に気づいた
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ぺぽん(プロフ) - 迷たんてーさん» いえいえ、とても参考になりました。ありがとうございます! (2023年2月26日 6時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
迷たんてー(プロフ) - ぺぽんさん» に載せています。長文で申し訳ないです。 (2023年2月26日 1時) (レス) id: 5339bce968 (このIDを非表示/違反報告)
迷たんてー(プロフ) - ぺぽんさん» お返事遅くなりすみません。面白いと言っていただきとっても嬉しいです!そうですね、アイデアを出そうと思っても出ないものなので、ある時突然頭に降ってきます。あとは私は生粋の夢女なので、原作を見ている時に夢主はこんなことをするのかなと時折考えて、それを小説 (2023年2月26日 1時) (レス) id: 5339bce968 (このIDを非表示/違反報告)
迷たんてー(プロフ) - しがない一般人さん» お返事遅くなりすみません。ありがとうございます (2023年2月26日 0時) (レス) id: 5339bce968 (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - 面白くて一気に読んでしまいました!オリジナルのお話も含まれていて飽きません。質問なのですか、どうやってオリジナルの話を考えていますか?イメージが突然降ってくるものなのでしょうか?良ければ教えてください! (2023年2月20日 3時) (レス) @page16 id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:迷たんてー | 作成日時:2019年2月22日 18時