社畜少女がハンター試験を受けるらしいです3［H×H］

心配り ページ4

「何はともあれ……」

ポンっとサトツさんの手が私の頭に置かれ、引き寄せられる

「二人とも、合格おめでとうございます」

暖かい手に驚いてサトツさんを凝視すると、サトツさんの顔にふっと優しい微笑みが作られる

「Aさんが合格した情報もしっかり把握していましたよ？」

これからは私と同業者ですから。とゴンと私に手を差し伸べるサトツさん。ヤバイ誰だっけこの方、天使？ガブリエル？

手を取ると、サトツさんの表情が少し引き締まる

「自分にプロの資格がないと判断した場合、ライセンスカードを処分するのも封印するのも自由です。売却するのも良いでしょう。ただし、1度合格した者は試験を受けることが出来ません。先人達の偉業の甲斐もあり、プロハンターは優遇されていますが、それ故悪用する輩が後を立たないのです」

ゴンが少し頷いて相槌を打つ。悪用……ねぇ

「そんな連中さえいなければ、本当は全員合格させたって構わないのですよ」

そう憂いげにそう放ったサトツさんが私達にジュラルミンケースに入ったカードを見せる

「ほとんどのプロハンターにとってこのカードは命より大事であると同時に、意味のないガラクタ同然の物でもあります。大事なのは……」

『残業と謝罪ですね……。』

「ハンターになって何を成したか、ですよ。」

サトツさんの真摯な瞳に見つめられて背筋が伸びる

「このカードを使うときは自分で決めればいい。君達なら、それが出来るでしょう」

成程。それなら、、

「助けてもらったいろんな人に、全部お返しをしてから使うことにするよ！」

『私も同様ですね』

倉橋ちゃん、田所、メンチさん、ネテロさん、ルイスペトロさん。動物達、ハンター試験の皆。

『サトツさんにも恩返ししたいので私の熱い抱擁とかどうですか』

「究極に要らないです」

またまたそんな謙遜しちゃって〜と肩を叩くと無言で手を払われる

「というか貴女、お相手いらっしゃいましたよね？」

『誰ですかむしろ探してるんですけど』

まさか山田か！？サトツさんもそこら辺の女子社員みたいにキャッキャウフフ騒ぐんですか！？

「隣の部屋で寝ている男性……と言おうと思ったのですが針の人も忍者もピエロも怪しいですね」

『待ってください色々勘違いが過ぎる』



￣
「あれ、先輩が僕に感謝してる……？」

『ああ、田所君のデスクから拝借した安眠肩枕意外と良くてさ』

「まぁいつものこ…あ、お礼は要らないですよ！？余計な事しないでくださいね？」

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