社畜少女がハンター試験を受けるらしいです3［H×H］

白衣を纏う ページ3

『失礼しまーす』

ドアを押し開けて中に入ると、穏やかな紳士の後ろ姿が見える

『我らの紳士サトツさんが救護係とは……！』

さあサトツさんの胸へダイナミックジャンプ！

「どこも悪くないのでしたら退出願いたいですが」

『ふ、ファンサービスですよファンサービス……』

嘘だろ獣化した私を片手で完全制止するとかゴリラの上位互換ですか

「本物の要治療者が居るんですから大人しくしてくださいよ」

本物……？
サトツさんの背中を回って奥のベッドを覗いてみる

『あれ、ゴンって試合に勝ったんじゃ？』

ベッドに横たわるのは勝者のはずのゴン
クセの強い黒髪が汗で額にぴったりと付いている

「聞いていないんですか？」

だってヒソカさん勝ったよーしか言わなかったし

「ゴン君は、拷問に入っても参ったとは口にしませんでした」

『それって、ハンゾーの方が優勢だったのに勝ちを譲ったってことですか？』

えぇ。とゴンの布団を掛け直すサトツさん

成程、粘り勝ち……よく頑張ったんだな、ゴン君

『にしてもハンゾーも人情があるっていうか、大丈夫なんでしょうか』

「貴女よりは強いですから。大丈夫でしょうねぇ」

私より強いなんて初めて会ったとき思いもしなかった
なんかモブが歩いてるなって思っただけで

「モブはどちらでしょうか」

『いや待ってなんで聞こえてるんですかちょっと』

思わずサトツさんに詰め寄ると、ゴンが寝返りを打つ

「あ…助けて」

『へっ？ヤバイ、サトツさんやば大丈夫ゴン？ゴンきゅん？しっかり！しっかりしt』

「落ち着いてください蹴り飛ばしますよ」

腹部に衝撃を受けた私が鎮まると、サトツさんがゴンに近付く

「子供は防衛本能から悪い夢をよく見るものです」

『はは、ナイトメア。正に今の状況ナイトメア』

お母さんがなだめてますみたいな流れで軽くパンチングしちゃダメだって
何の用事で救護室来たと思ってるんだ

「あれ？ここは……」

「目覚めましたか？最終試験会場横の控え室です」

『グットモーニン！』

ゴンの声にサトツさんの後ろから顔を出すと、ゴンが目を瞬かせる

「腕は、直ぐにくっつきますよ。非常に綺麗に折ってくれています。むしろ完治した後には丈夫になるくらいのものです」

『うん？』

待って腕を綺麗に折るって何？そんな超人技この世に存在するの？



￣
『倉橋ちゃん、骨の状態を裸眼レントゲン出来る紳士がいるけどどう？タイプ？』

「先輩の頭もレントゲンで見てもらってください」

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