社畜少女がハンター試験を受けるらしいです3［H×H］

カフェテラス ページ17

にびいろの空から漏れた光がシーツを照らしている

朝かと起き上がると、ヒソカさんが窓際の机でティーブレイクをしているのが目に入る

『ヒソカさん、おはようございます』

「おはよう♥」

随分早くから起きていたらしい。

『髪、下ろしたままで良いんですか？』

「キミの隣を歩くから、ね？」

……私と居るところを恥ずかしくて見せられないだと？おい

ベッドを下りて、柔らかい笑顔を作ってカップを差し出すヒソカさんに近づく

『ありがとうございます。朝食は美術館で食べますか？』

「そうだね♠」


『ポチ、お留守番お願いね。直ぐ戻るよ』

身支度をして街に出ると、爽やかな風が頬を撫でる

『綺麗な街ですね』

夜は気がつかなかったけど、オークウッドの家々が並んだ街道は明るくて美しい

街灯までもが繊細で絵になっていた

「美術館は、役場を左に曲がった所♣」

ホテルのフロントで聞いた情報を元に移動すると、大きな建物が見える。煉瓦作りの、アーティスティックな建物だ

『カフェテラスがありますね。先にそちらに入りましょうか？』

「洒落てるね♦こっちの文化は情操的で住みやすいって聞いてたけど」

へぇ。他国の文化とか意識したこともなかったわ。私の国は騒がしくて酒場も賑やかだけど、ここはカフェすらもバーのような雰囲気だ。

「ククルーマウンテン付近の雰囲気とも大分違う♠恐らく観光都市として一画だけ異なった発達をしているのかもしれないね？」

『相変わらず人の心を読みますね貴方は』

会話しながら店内に入る。店内は光が射す開放的な空間だけど、外のデッキ席に座っている客がほとんどだった

「おはようございます。モーニングからスイーツ、ドリンク、カクテルとご用意がございます」

『おっ、おはようございます。』

なんか店員さんまでお洒落なんだけど。簡潔に言ったらスゴくハンサムガイなんだけど

『アイスティーと、エッグベネディクトでお願いします』

「かしこまりました。合計950円になります。」

料理を持って窓際の席に向かう。暫くすると、珈琲とサンドウィッチを運ぶヒソカさんも現れた

いただきます。と呟くヒソカさんを観察する。

『いただきます……。とんでもなく美味しいですね。』

溶け出す玉子と柔らかなマフィン。面白そうに目を細めるヒソカさんを無視して私の手が止まることはなかった



￣￣

『待ってろくなもの食べてなかったからカフェで朝食食べて号泣する変な人になってるどうしよう』

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