人魚姫がお嫁さんになったら貢いじゃダメですか？【太宰治】

23：白い王子さまは大慌て ページ23

「はぁ！？もふもふ帽子の具合の悪そうな外国人に会った！？ねぇその人どこの国の人！！」

「分からないです…あ、でも！！目が多分！！灰色っぽい感じだったのでロシア人かと！！」

「灰色？え、紫じゃなくて？」

「え、ロシア人大体灰色っぽいじゃないですか。」

「あぁ…なるほどね…うん。間違いなくアイツだ…。」



ロシア人=灰色っぽい瞳と言う勝手な謎のイメージのせいだろう。多分高確率で魔人だろう。ったく…なんで最近、最も見せたくない会わせたくない人に出会ってしまうんだろうか。ホントに信じられない。


「あー最悪！！最悪最悪最悪！！Q奪還作戦の双黒復活の時と同じくらい最悪！！最悪すぎる！！まじ最悪！！」




変な目で見るAちゃんには慣れたし、正直言わなきゃ無理。なんなら暴れてもいいくらい。



「蛞蝓だけでなく…魔人にまで…不覚…。ホントに最悪…。」



あの魔人がAちゃんに惚れないわけない。この前の澁澤と再対峙の時…その時はAちゃんはタイミング良く学校の研修でヨコハマにはいなかった。だから魔人にも見つからず、尚且つあの霧に巻き込まれずに済んだのだ。
と言うか起こることが分かっていたから研修にOK出したのだが…。
まぁ、起ころうが無かろうが勉強のためだから許可出さないといけないのだろうけど…。



「あーもー！！どーすんの！！！良いかいAちゃん！！今度そのロシア人と出会ったら絶対に相手にしちゃダメだからね！！！」

「は…はぁ…。」



何言ってんだコイツみたいな顔してるAちゃん。うん…物凄く分かるけどさ…。魔人に取られたくないんだよ！！！
私と考え方とか似てるからさ！！！貢ぐとかになるかは分からないけど！！



「嫌だ！！とりあえず嫌だ！！魔人にだけは取られたくない！！いや蛞蝓にもなんだけどさ！！まぁー蛞蝓には100%ありえないんだけどさ！！」




わーわーギャーギャー叫ぶ私のことをAちゃんは、ひたすらずーっと変な目で見ていたのだった。

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