人魚姫に貢いで良いですか？【太宰治】

37：黒い王子さまと人魚姫は泡となる ページ37

それから数日が経つ頃…



「治さん行ってらっしゃい…。」

「行ってきます！！私の天使な人魚姫！！はぁー可愛い！！さぁーて！！仕事頑張るよ！！」




様子のおかしい治さんを見送って、私も学校へ向かった…。けど…





「治さん…遅いよ…。」




治さんは帰ってこなかった。そんなの初めてで…今まで1度もなかったのに…。




「治さん…早く…ご飯冷めちゃうよ…。」





そんな日が…1週間続いた…。





ガチャリと音が鳴って帰ってきた治さんに抱き着いた。




「遅いです…治さん…治さん…アレ？」





いつもと違う香りがする…。いつもは…





「Aちゃん…ごめんね…仕事で忙しくて帰って来られなかった。」





見慣れない格好…黒いと言うより明るい感じ…。そんな治さん知らないよ？





「治さん…あの…。」






ホントにいなくなる…いなくなるの？




嫌だ…嫌だよ！！





行かないで…いなくならないで！！消えないで！！






「治さん！！私は…！！治さんのことが…ッぅん！！」





言いかけた私の唇に治さんの唇が重なる。初めてのキスだった。





「必ず帰ると約束する。だから…」







やめてください治さん…言わないで…嫌だよ…聞きたくない…聞きたくないです！！







「さよなら…。」

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