5:分かっていたのは何なのか ページ5
「みんなおっはよー!!」
「おはようございます太宰さん。」
「予定通りに来るなんて…。」
国木田さんもなんかビックリしている…まぁ、珍しいもんね。仕方ないさ…
「太宰くんおはよう。先に出ちゃったけど…良かったかな。」
「気にしてないから安心して。お弁当と朝ご飯りがとう。」
「ううん、私の仕事だから気にしないで。」
「あぁ、そう…。」
へらりと笑う私が気に入らないのか、不機嫌そうに顔を歪めて、私の隣の席へ。いつもわざとらしく明るく、へらへらとして分かったように、にっこりニコニコと笑っている私にうんざりしたのか…それとも嫌なのか…どちらにせよ、感情が薄く反応が一緒の私が嫌いなんだろう。
また、数時間経てば浮気しに行くんだろう。いつものパターンだ。
そう…決まっているんだ。
乱歩さんにもきっと分からないはず。私は読めないよ。
「社長に用事があるので、少し席を外しますね。」
そう言って社長室へ…
「失礼します社長。」
「どうしたA。」
「ご報告をと…思いましてね。私の事で…。」
「どうだ?その後の調子は。」
「次の検査結果次第では…調査員としては無理かと…。ただの聞き込みや調査だけ、乱歩さんの付き添いなら行けますが、作戦の実行となれば…もう無理かと思います。
入院しなければならないレベルらしいです。でも当の本人はこんなにピンピンしてるんです。おかしいですよねー。」
「退社は…どうするんだ。」
「太宰くんに必要ない、出てけと言う感じの別れ話をされたら…大人しく出て行って社を辞めて入院しようかと思っています。
ただ、私の幸せは太宰くんのそばにいること。その太宰くんのそばにいられないなら…価値はないです。
だから、把握をよろしくお願いします。」
「分かった。」
私は多分強くない…弱いから…笑うしか出来ないのかもしれない。
「もう長くないのは確実です。寿命は分かんないんですけどね。」
「そうか…貴君の余生…幸せであれ…。」
「そんな悲しそうな顔しないでくださいよー。まだ死なないですよー?まるであと1週間や明日死ぬみたいな顔しないでくださいよー。与謝野さんと一緒。
私はまだこの通りピンピンしてるんですよ?もう少し…社員を信じてくれても良くなくて?
せめて、良くなりますようににしてくださいよ。」
泣けない私の代わりに悲しんでくれる与謝野さんと社長はホントに優しい方だと思った。この職場で良かったと思った。
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人生楽しんだもん勝ち - めちゃくちゃ泣きました、こんなに泣いたのは久しぶりでした。素敵な作品をありがとうございます。 (2021年8月3日 14時) (レス) id: 0301fd6d5d (このIDを非表示/違反報告)
シュメール人 - なんか、、やばい、、、、、 (2021年5月18日 1時) (レス) id: b636df43a5 (このIDを非表示/違反報告)
星 - コメント失礼します。凄く感動しました。素晴らしい作品を有難うございます。 (2020年5月4日 18時) (レス) id: 43b5f5b23e (このIDを非表示/違反報告)
あいり(プロフ) - 占ツクみて何年も経ちますがこんなに泣いたの初めてです…最高の作品でした!!本当にありがとうございました。 (2020年5月3日 23時) (レス) id: 0ebbee04e8 (このIDを非表示/違反報告)
華 - 泣きすぎてやばいです!呼んでいた1時間があっという間でした!本当にありがとうございました! (2020年1月4日 2時) (レス) id: 29d08050fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:中二半の彼女は霜月さん | 作者ホームページ:
作成日時:2019年7月6日 2時