15：綺麗 ページ15
「静かですね…。」
「静かですよココは。だから花火に集中出来るんですよ。」
「そうなんですね…。」
「そろそろ打ち上がりそうですね。」
そして
ヒュー…
ドーン…
パラパラパラ…
花火が打ち上がった。
「綺麗…病院の窓から見るよりも…とても…とても…。」
「私も…半夏生さんと見る花火がとても…とても…綺麗に見えます…。」
「え？」
「あぁ…えーっと…綺麗な方と見る花火はとてもとても綺麗だなーって…特別に感じるって意味です…。」
「そ…そうなんですかっ…。」
頬を赤くしてあたふたする半夏生さん。
もっと見ていたい…
そう思った。
それからひっりなしに打ち上がる花火。
それから2人とも無言となってしまった。理由は花火を見ていたから…。
手を繋ぎっぱなしのことなんて気付かぬまま…。
そして終盤に近づいた時だった…
「太宰さま…ありがとうございます。」
打ち上げられた花火を背に、そう言って微笑む彼女…
「私は…何もしてないですよ…。」
言えない一言…簡単な二文字…
何故言えなかったのだろうか…
「そんなことないですよ。」
「いやいや…何もしてないですよ。」
なんて言い合ってて…
「もう帰りましょうか。」
「そうですね。」
気恥ずかしくて手を解いてしまって…
コレが最後になるなんて知らなくて…。
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ユリア(プロフ) - 霜月様、初めまして！お話読ませていただきました。主人公と太宰さんが別れたまま終わるかなーと思っていたのですが、ちゃんと再会できてよかったです！ (2023年2月15日 13時) (
レス) @page21 id: 4dc59746f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：中二半の彼女は霜月さん
| 作者ホームページ：
作成日時：2017年10月10日 22時
