15:後戻り ページ15
その日の会合中は何も起こることなく終わった。
もちろんその後も護衛がある訳だが依頼者には許可を得て結界を張ることにした。
「私は結界を張りに行きます。先に戻って寝てても良いですよ太宰さん。」
「分かったよ。遠慮なくそうさせてもらうよ。」
そう言い放ち先に部屋に戻る太宰治。
「ホントに…変わってしまったね…太宰治…。」
治なんて言えるはずがなく本人やその他の社員の前以外ではフルネーム呼びだ。
昔だったら心配だから1人で行かせられない。着いて行く。
そう言って離れなかったのに…。
今じゃそれどころか心配すらしてくれない…。
あの頃に戻れたら…。
どんだけ幸せか…。
でもどんなに願ってもあの頃は戻ってこない。
あの頃に戻りもしない。
あの頃の私たちがコレを見たらどう思うだろうか。
嘘と思うだろうか。
それとも、そう為らないようにしようとするだろうか。
それとも、怒るだろうか。
凄く幸せだと思っていた。
でも、気づいた時には埋められない程の亀裂が入っていたんだ。
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作者名:中二半の彼女は霜月さん | 作者ホームページ:
作成日時:2017年8月3日 0時