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「そのせいか、無意識に距離取っちゃうんですよね。私もなんでかわからないんですけど、」
『へぇ、』
「その点、渡辺さんは話しやすいです。全然大人って感じしないので、」
『…お前俺のことバカにしてる？』
「いや、そういうことじゃなくて、」
は、ムカつく。早めた足を、あいつが慌てて追いかけてきて、また俺は速度を上げる。
「待ってください、渡辺さん」
『やだ。』
「拗ねてるんですか？」
『ちげーよ、なんでこんなことで拗ねんだよ。』
早めていた足を止めて後ろを振り返ってそう言えば、彼女は眉を寄せた俺を見てまたさっきみたいな揶揄うような笑みを浮かべた。
「私なんか嬉しいです、こんな風に話せるようになると思ってなかったんで。」
『俺は嬉しくねーけどな。』
そう言ったのに、Aは「あー、なるほど、それは嬉しいってことですね？」と頬を緩める。いやだから、ちげぇって。
なんでかずっと俺に話しかけてくるAを適当にあしらいながら歩いていると、シェアハウスまであと少しってところで、俺らの間に無機質な音が鳴り響いた。
「……っ、」
その音に肩を震わせた彼女が、さっきまであんなにふにゃふにゃした笑みを浮かべてたその表情を一気に曇らせる。
電話の着信音だと思われるその音は、数秒の後消えたけど、彼女の表情は固いままだ。
『…どうした？』
別に聞かなくてもよかったかもしれない。そう思った時にはもう遅く、俺の口からは先にそんな言葉が出ていた。
こいつに深く関わりたくはないと思っているはずなのに、なんでこんなこと聞いたんだろうか、俺は。
「なんでもないです。…あ、そんなことより今日の晩ご飯、和食と洋食どっちがいいですか？」
『え？…いや、どっちでもいいけど、』
「じゃあなんか今、和食の気分なんで和食にしますね。後から文句言わないでくださいよ？」
『言わねーけど、…おまえ、』
いま、明らかに話を逸らそうとした。
別に聞きたかったわけじゃないけど、取り繕ったようなその笑顔に胸の奥にモヤッとしたものが広がる。
「なんですか？」
『いや、なんでもない』
…どうでもいいもんな、別に。
こいつが何抱えてようと、何が原因であんな暗い顔しようと、俺には関係ない。
再び歩き出した彼女の、オレンジの光に照らされた悲しげに歪んだ横顔に、俺は気付かないふりをした。
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こゆき(プロフ) - 彩花さん» 気がつきませんでした…！教えてくださってありがとうございます！とても助かりました…！！ (2020年12月23日 0時) (
レス) id: 7e9ebf3478 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - れいさん» ありがとうございます…！これからも楽しんでいただけるように更新頑張ろうと思います…！ (2020年12月23日 0時) (レス) id: 7e9ebf3478 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - べぺさん» コメントくださっていたのに気づかなくてごめんなさい…！待っていてくださる方がいるというお言葉で、更新頑張れそうです！ありがとうございます…！ (2020年12月23日 0時) (レス) id: 7e9ebf3478 (このIDを非表示/違反報告)
彩花(プロフ) - 何度もすみません！今日もう一度読み返してたら13ページ目のタイミングがタイミグになってました、！余計なお世話だったらすみません！ (2020年12月22日 14時) (レス) id: 7fda05ffd5 (このIDを非表示/違反報告)
れい - なんとなーく更新待ってました…！再開してくれて本当に嬉しいです！これからも楽しんでいきます！！ (2020年12月4日 1時) (レス) id: c0a052e646 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こゆき
| 作成日時：2020年7月28日 15時
