12. 少女のカレー ページ13
「わあぁッ！！？？」
青い空を背にしてココガラが羽ばたくのどかな朝。
心配性なAに泊めてもらったNは、そんな朝に不似合いな叫び声によって目を覚ましたのだった。
まだぼんやりとする目を擦ったNは、霧がかったような頭で考える。
ーー
昨晩、A達の夕食時のことだ。
暗い中、長い距離を飛んで帰ることを案じたAの厚意で泊まることとなったNはソファで寛いでいる。
そんな良かれと思っての行動も全てNの思惑通りだとは露知らず、キッチンにてAは上機嫌にカレーを煮ていた。
辺りに漂う匂いからしてAの好きな甘辛口だろうか。NはAの手料理を味わえる喜びから目を細めた。
そして間もなく、Aが真心込めて作ったカレーが完成した。
しかしAのポケモンは数が多い。
そんな大勢のカレーをどうして運ぼうかと顎に手を置きしばし考えていると、ふと足下にヒポポタスが擦り寄っていた。
そのヒポポタスは透けるような瞳と温かい湯気を立てるカレーを交互に見詰める。
それは何かを伝えたいかのように、Aの瞳に映った。
「………ヒポくん、手伝ってくれるの？」
「ぽぽひゅう」
Aが目線を合わせヒポポタスに問うと、肯定の鳴き声はすぐに返ってきた。
「うん、じゃあこのトレイをあっちに運んでくれる？助かるよ」
Aが指示を出せば、トレイを器用に背負ったヒポポタスは若干おぼつか無い足取りでリビングへ向かう。
それに続き、まだ元気の有り余っているらしいポケモン達にAは声を掛けたのだった。
「いただきます」
この挨拶を皮切りに、食事は一斉に始められる。
和気あいあいとした空気がより一層濃く流れ始めた。食事が楽しいのは誰しも同じだということであろう。
「「ーーー！！！」」
いち早くカレーを口に含んだポケモン達は文字通り目を輝かせてAに笑い掛ける。
こんなに喜んでくれるのなら、もっと詳しく料理を習っておけぱ良かったかも知れない………
いや、今度教えてもらおう。
Aは笑いつつ、まぁ精進あるのみだとカレーを掬った。
……まだまだ兄には敵わないようである。
「とても美味しいよ。…出来ることなら毎日食べていたいな」
そう声を漏らしたNはAに微笑み掛ける。
しかしその告白紛い(本人はそのつもり)の言動は意にも介されないらしく、「これからもっと美味しくなるよ」とAは不敵に笑った。
そしてお代わりをせがむポケモン達に応えて立ち上がる。
全く相手にされてないとようやく気付いたNは落ち込み、それを横目で見たガブリアスは鼻で笑ったのだった。
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の〜さん（旧もこ）(プロフ) - 私ポケモンとポケモンにでてくる人達全員推しなので嬉しいです！Ｎ出てきただけで泣きそうです……出来たら全員に恋愛的に愛されたいです。更新楽しみにしてます！ (10月20日 17時) (
レス) @page15 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
レイン - そうなんですか、大変ですね。いつでもエエので更新待ってます！落ち着いてからでエエので！ (2020年3月10日 17時) (レス) id: 05e6c43b69 (このIDを非表示/違反報告)
霜月千弦、 - レインさん» ポク…あ、ポロックですかね？作者はそれしか思い付かないです。ポロックモンスターとは(笑) (2020年1月2日 1時) (レス) id: a103d81c3f (このIDを非表示/違反報告)
レイン - 霜月千弦、さん» すみません、ポ『ケ』モンがポ『ク』モンになっていました。ポクモンとは ？笑 (2020年1月1日 21時) (レス) id: 05e6c43b69 (このIDを非表示/違反報告)
霜月千弦、 - レインさん» 作者は歴代キャラ好きなのに小説が無い…と思っただけで自己満足用なのですが、面白いと言っていただけて嬉しいです！！これからも頑張ります！ (2020年1月1日 17時) (レス) id: a103d81c3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霜月千弦。 | 作成日時：2019年11月20日 23時
