14. 少女の晴天 ページ15
それからしばらく経ち、太陽が昇り切る前にNはそそくさとイッシュへ帰ってしまった。
本心としてはまだAと居たかったようだが、尋常ではない程の命の危険を感じたらしい。
ちなみに、先程までNに向けて殺気を放っていたガブリアスがもし喋ったならば、「二度と来んなガキ」とでも言うだろう。
……あからさまにそんな顔をしながら見送っていたため、想像することは容易である。
そんな飛び立った影が消えたところで振り返ったAは、清々しい顔付きになったガブリアスを撫でる。
Aは機嫌の良くなったさめはだをもう一度撫で、誰に言うでもなく呟いた。
「暇になっちゃったな」
すると、その小さな呟きはコウモリのような耳にしっかりと拾われたらしく。
「グラグラァ」
「ん、どうしたのグライ…？」
フライゴンと共に飛んでいたグライオンが声を聞き付け、Aの袖を控えめに引っ張っていた。
さっき飛んでいた時に面白そうな場所を見付けたのだ。
Aは暇だから丁度いいと考え、そのままグライオンに行き先を委ねた。
ーー
「へぇ、確かにグライが行きたくなる訳だね」
ここはワイルドエリア。
野生のポケモンが多く生息する広野である。
只今は雲１つない快晴。容赦のない日光が辺りを照り付ける。
Aは手頃なサイズの岩に腰掛けながら、思い思いにはしゃぐポケモン達を見守っていた。
Aが好きなじめんタイプのポケモンは主に砂場に生息していることが多い。
そう思えば一同が懐かしい砂の匂いに目を輝かせて嬉々とした表情をしているのも頷ける。
乾いた匂いを思いきり吸ったフライゴンは故郷であるホウエンの111番道路を思い出したのだろうか、楽しげに飛び回っていた。
そういえばAが初めてカロスから旅に出て訪れたのがホウエン地方であり、その時出会ったのが後の相棒となるナックラーであった。
この話はかれこれ6年以上前のことである。
そんな在りし日の出来事を辿っていると、Aは不意に次の行き先を閃いた。
(次は皆の故郷巡りでもしよう。
私も久しぶりに兄さん達に会いたいし、色んな場所に行けば皆も喜んでくれるよね)
しかし、“皆”の故郷を巡るとなればカロス、イッシュ、ホウエン、アローラ……多分これくらいだろう。
うむ、これは結構な大荷物になるとみた。
現実に直面してしまったので、行く準備はもう少し後にしてもいいかもしれない、とAは晴天を仰ぐのだった。
そして、Aに近付く足音が1つ。
足音の正体、白い少年は紫のコートを風になびかせていた。
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の〜さん（旧もこ）(プロフ) - 私ポケモンとポケモンにでてくる人達全員推しなので嬉しいです！Ｎ出てきただけで泣きそうです……出来たら全員に恋愛的に愛されたいです。更新楽しみにしてます！ (10月20日 17時) (
レス) @page15 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
レイン - そうなんですか、大変ですね。いつでもエエので更新待ってます！落ち着いてからでエエので！ (2020年3月10日 17時) (レス) id: 05e6c43b69 (このIDを非表示/違反報告)
霜月千弦、 - レインさん» ポク…あ、ポロックですかね？作者はそれしか思い付かないです。ポロックモンスターとは(笑) (2020年1月2日 1時) (レス) id: a103d81c3f (このIDを非表示/違反報告)
レイン - 霜月千弦、さん» すみません、ポ『ケ』モンがポ『ク』モンになっていました。ポクモンとは ？笑 (2020年1月1日 21時) (レス) id: 05e6c43b69 (このIDを非表示/違反報告)
霜月千弦、 - レインさん» 作者は歴代キャラ好きなのに小説が無い…と思っただけで自己満足用なのですが、面白いと言っていただけて嬉しいです！！これからも頑張ります！ (2020年1月1日 17時) (レス) id: a103d81c3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霜月千弦。 | 作成日時：2019年11月20日 23時
