記憶の傍らで君が 2【約ネバ】

25 ページ25

･






レイ｢おい！どういうつもりだ！！｣



夜ご飯を食べて、
私とノーマンは着替えた。


白以外の服は初めてで、なんだか変な感じ。

嬉しくは、無いけど。



レイ｢ここにいりゃ死ぬんだぞ！今すぐ逃げろよ！！｣


ノーマン｢嫌だ。逃げるつもりは無い｣


レイ｢は？｣

『それより聞いて。時間が無いの。下見の報告。』

ノーマン｢崖だったよ。塀の向こう｣





飛び降りられる高さではなかった。



塀はちょうど60度ずつに分かれていて
ずっと同じ景色。


『レイのおかげで混乱はしなかった。つまりこういうこと』


ノートにハウスの形を書く。

飼育場は塀を挟んで隣同士
6つの区画のうち、ここ第3プラントの真西にある区画がおそらく本部。


ノーマン｢周囲は絶壁だけど、この区画の先にだけ橋があった。｣

『"逃げるなら橋から"だね』



コンコン、とノックがなってフィルが顔を覗かせる。



フィル｢A、ノーマン、ママが呼んでるー｣


ノーマン｢今行くって伝えて｣




私とノーマンは自身のトランクを閉めた。


『これ、返すね。私たちは使ってない。だからまだ使えるよ。2人が出る時に使って』


レイ｢お前ら……つまり最初から、戻るつもりだったんだな！！

なんで、言ったじゃねぇかよ…一緒に生きるって、なのに…最初から＿＿＿＿｣



『うん、ごめん。嘘ついた』

26→←24

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す