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「うん、必要な書類はこれで全部。」
虎杖「うっす。お世話になりました。」
「本当に大丈夫？」
虎杖「そーっすね。こういうの初めてなんでまだ実感湧かないかな……。でもいつまでもメソメソしてっと爺ちゃんにキレられるし後は笑ってこんがり焼きます」
「言い方…！」
虎杖はそのままペンを置いて
スマホで1本の連絡を入れた。
小さく看護師さんに頭を下げ、少し離れる。
しかし電話の相手は虎杖からの連絡に出ない。
虎杖は少し眉間に皺を寄せ、メッセージを残す。
これを聞いてかけ直してくれることを願って。
虎杖「"あー……急にごめん。今日色々あって話さねぇといけないことあっから時間ある時に連絡欲しい。俺はいつでも大丈夫だから待ってる……」
伏黒「虎杖悠仁だな、呪術高専の伏黒だ。悪いがあまり時間がない"」
虎杖は電話を切る前に伏黒に声をかけられ
少し切るのが遅れる。
虎杖「あー、うん、何？喪中なんだけど」
伏黒「お前が持ってる呪物はとても危険なものだ。今すぐこっちに渡せ。」
虎杖「ジュブツ？」
伏黒「これだ。持ってるだろ」
そう言って伏黒が見せたのはスマホの画面に映る両面宿儺の指の写真。
虎杖「あー、はいはい。拾ったわ。俺は別にいいけどさ先輩らが気に入ってんだよね。理由くらい説明してくんないと」
伏黒「……」
めんどくせぇと顔を歪めた後、伏黒は説明した。
伏黒「日本国内での怪死者･行方不明者は年平均10000人を超える。その殆どが人間から流れ出た負の感情。"呪い"による被害だ」
虎杖「呪いぃ？」
伏黒「お前が信じるかどうかなんてどうでもいいんだよ、続けるぞ。特に学校や病院のような大勢の思い出に残る場所には呪いが吹き溜まりやすい。
だから学校には大抵"魔除け"の呪物が置いてあった。お前の拾ったものもソレだ。」
虎杖「魔除け？ならいいじゃん。何が危険なの」
伏黒「魔除けと言えばき声はいいが、より邪悪な呪物を置くことで他の呪いを寄せ付けない。毒で毒を制す悪習だ。
現に長い年月が経ち封印が緩んで呪いが転じた。今や呪いを呼び寄せ肥えさせる餌。
その中でもお前の高校に置かれていたのは特級に分類される危険度の高いものだ。人死にがでないうちに渡せ」
虎杖「いやだから俺は別にいいんだって。先輩に言えよ」
そう言って虎杖は"箱"を投げた。
しかし箱の中身はなく、伏黒が追っていたのは
呪力の残穢だった。
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作者名：＋1
| 作成日時：2023年3月24日 23時
