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しかし、たった数秒で格の違いを見せられた伏黒

呪力の限界も来ている。



__じゃあなんで俺は助けたんだよ!!









不平等な現実のみが平等に与えられている。





__誰かを呪う暇があったら大切な人のことを考えていたいの



疑う余地のない善人だった。

誰よりも幸せになるべき人だった。

それでも津美紀は呪われた。

俺の性別も知らず恵なんて名前をつけた父親は
今もどこかでのうのうと生きている。

因果応報は全自動では無い。

悪人は法の下で初めて裁かれる。


呪術師はそんな報いの歯車の一つだ。








__伏黒は正しい人間だね







関わるうちに彼女が俺に放った言葉。


正しいとか、正しくないとか俺には分からない。

ただ、アイツがソレに固執していることだけは理解していた。

生きるべき人間に手を差し伸べ、
正しいと思う行動をアイツはしていた。

言葉では否定していたものの

アイツは善人で、簡単に人を切り捨てられる。





だから、俺は

少しでも多くの善人が平等を享受できるように





伏黒「(俺は不平等に人を助ける)」











宿儺「いい、いいぞ。命を燃やすのはこれからだったわけだ。魅せてみろ!!伏黒恵!!」




雰囲気が変わった伏黒を宿儺は読み取った。



伏黒「"布留部由良由良___"」




ピリついた中、動きを止めた伏黒






伏黒「…俺はおまえを助けた理由に論理的な思考を持ち合わせていない。

危険だとしてもお前のような善人が死ぬのを見たくなかった。それなりに迷いはしたが結局は我儘な感情論。

でもそれでいいんだ、
俺は正義の味方じゃない。呪術師なんだ。

だからおまえを助けたことを1度だって後悔したことはない」



そう言って結んでいた手を解く。

虎杖の額の模様が消えて戻ってきた。


虎杖「…そっか。伏黒は頭がいいからな。俺より色々考えてんだろ。

お前の真実は正しいと思う。でも俺が間違ってるとも思わん。」


伏黒「…」


虎杖「あー悪い、そろそろだわ。伏黒も釘崎も五条先生…は心配いらねぇか。あーあ、最期に好きな子泣かせるなんてな。Aのこと頼んだ」


伏黒「…」



虎杖「長生きしろよ」




口から血を吐いて虎杖は地面に倒れた。

伏黒は雨が降る中、上を向いてただ歯を食いしばっていた。

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作者名:+1 | 作成日時:2023年3月24日 23時

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