ヒロインの色恋沙汰とかどうでもよき｡【梟谷】

青春したい ページ17

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まあ､そう決意したとは言え私も女子高生｡


せっかくの夏を満喫したいわけで､

「これ､めっちゃ美味しい！」


「ね､やっぱり夏はアイスだわ」


「え､アイスって冬じゃない？」

私,美紀,真理の三人とも部活がOFFという奇跡的な放課後に最近バズっためちゃかわいいアイスを食べよう！という話になり現在に至る｡


「写真撮らない？」


「あーいいよ」


「じゃ､こっち向いて〜」


「この写真インスタに載せたいんだけどA顔隠す？」

全員のスマホで写真を撮り終えると真理が一応私に聞いてきた｡


「うん､隠しといて」


「はいよ〜」

なんか不特定多数に自分の顔とか今いる場所を晒すのって嫌なんだよね｡それがずっと残っちゃうのも怖いし｡


こうやって毎回確認してくれるあたり､本当にいい友達だなって思うな｡たまに確認しないで勝手にSNSにアップする人いるじゃん｡肖像権どこ行ったって感じ｡


「あーアイスめっちゃおいしかった」


「それな！ また食べよ！」


「じゃ､またね……って待った」


解散しようとした瞬間､見覚えのある人影を見つけて二人に待ったをかけた｡目を凝らすと水沢さんが男子も含めた五人でさっき私たちが食べたロールアイスを手に写真を撮っていた｡


「うっそ水沢さんもあれ食べにきたの？」


「なんかやだー」


なんとなく隠れて見ていると水沢さんが一人の男子と腕を組んでいるのが見えた｡え､水沢さんって赤葦のことが好きなんでしょ？好きでもない男と腕組むのはどうなの？？


これには美紀も動揺して「水沢って赤葦が好きでしょ！？」と真理にすごい勢いで聞いている｡


「ほんと､むかつく！」


一通り水沢さんを愚痴り終わるともはや定番になった一言で締めくくった｡



「それな。あんなぶりっこに負けんなよ」


「うん､ありがとう真理！」


真理と美紀がガッチリと握手をしているのを眺めながら私も美紀に激励の言葉を一つ｡


「美紀なら大丈夫だよ｡だっていい子だし」

改めて口にするとちょっと照れるな｡そう思っていると二人は顔を見合わせて驚いていた｡


「Aがデレた！」


「はぁ？！」


「ありがと〜」


きっと赤葦は水沢さんみたいな子じゃなく美紀みたいな裏表のない素直な子が好きだと思うよ｡



……フニャリと笑う美紀を見たらそう確信した｡

本性を垣間見てブスになる？嫌だよ→←勝てなくちゃ意味がない

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