花と蝶の双子【栗花落カナヲ】

4話 ページ5

姉さんや蝶屋敷の子達からは、たくさんのことを教えてもらった。

手当ての仕方、薬の作り方、家事のやり方といったここで暮らすために必要な知識はもちろん、姉さん達の所属する鬼殺隊や人喰い鬼についても。

蝶屋敷で働く子達は、鬼に家族を殺されたのだという話も聞いた。

蝶屋敷へ来る隊士達は、酷い怪我をしながらも、必死で戦い、人々を守ろうとしていた。

カナエ姉さんとしのぶ姉さんも、そうだった。


皆を守るため、自分も鬼を倒したい。

僕もカナヲも、そう思っている。

そして、その思いを確実なものにする出来事が起こった。


……カナエ姉さんが、鬼に殺された。


そのことを知らされた時の衝撃は、きっと一生忘れない。

あんなに優しくて、強くて、綺麗だったカナエ姉さんが、死んでしまった。

多くの人が悲しんだ。

しのぶ姉さんは何日も泣き続けた。

やっと落ち着いた時には、無理をして笑って、別人のようになっていた。

カナヲも酷く動揺して、悲しんでいた。


もう、僕の家族を誰にも傷つけさせない。

絶対に、何があろうと守る。

そう、カナエ姉さんの墓前で誓った。


カナヲと一緒に、しのぶ姉さんの元へ行った。

鬼殺隊に入りたいと、伝えるために。


「だめです。あなた達を鬼殺隊に入らせる訳にはいきません」

でも、しのぶ姉さんは認めてくれなかった。

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